嵐・相葉雅紀の役者業もようやく安泰の兆しが見えてきた。御年96歳の石井ふく子プロデューサーが、今春放送のスペシャルドラマ「ひとりぼっち‐人と人をつなぐ愛の物語‐」(TBS系)の主演に嵐・相葉雅紀を抜擢したのだ。
この作品は2021年に亡くなった脚本家・橋田壽賀子さん(享年95)をオマージュしたもので、石井氏にとって3年ぶりのドラマになる。2人は長年公私にわたって親交を深め、「渡る世間は鬼ばかり」シリーズなど数々の人気ドラマを世に出してきた名物コンビ。橋田氏に対するあふれる思いをぶつけた勝負作に起用したのだから、いかに相葉に期待しているのかがよくわかる。そのことが、制作にあたって石井氏が発表したコメントからもうかがえる。
石井氏は「(相葉は)とってもすてきな青年でした。本当に穏やかで、芝居でも、普段でも、人と心で通じるような感じ。彼の周りには常に人が寄ってきて話していたので、私は彼とご一緒できてよかったと思っています」とべた褒め。もちろん役者としても期待以上の成果を見せたようで、「セリフも全部覚えてきていて、NGも出さなかった」と満点の評価を下し、「また一緒にやりたいなと思っています」と石井ファミリー入り「合格」のお墨付きを与えている。相葉も「石井ふく子プロデューサーが僕に声をかけてくださったことは率直に驚きました。また、初めてお会いした時には『ずっと一緒にお仕事したかったのよ』と言っていただけてとてもうれしかったです。声をかけていただいた以上は全力で演じさせていただこうと思いました」とコメントしている。
この作品は、両親と最愛の姉を亡くして天涯孤独の身になり、心を閉ざして生きてきた青年(相葉)が、亡き姉にうり二つの女性に出会ったことで心のふれあいを取り戻していく物語。脚本は大河ドラマ「八重の桜」(NHK)などを手がけ、第28回橋田賞を受賞した山本むつみ氏が担当する。「渡鬼」シリーズのレギュラーメンバーだった角野卓造、中田喜子、藤田朋子、えなりかずきらが出演。ナレーションに石坂浩二、姉役に坂本冬美。ほかに上戸彩、一路真輝らが華を添える。
相葉にとっては、「トリプル・キッチン」以来約17年ぶりのTBSドラマ出演。同局初の主演ドラマで、石井作品に呼ばれるのも初と初めて尽くしとなった。
「相葉は、これまで他局のドラマで主役を張ってきましたが、視聴率には恵まれませんでした。今回の大抜擢で、役者としてひと皮むけるかもしれません。石井作品といえば看板女優に泉ピン子がおり、共演者に対する『お説教』『イビリ』疑惑が報じられました。しかし現在、石井氏との不仲がささやかれており、今回も起用されておりません。このまま石井ファミリー入りすれば、役者として安泰なのではないでしょうか」(芸能ライター)
バラエティだけではなく、ドラマでも活躍する相葉の姿。ファンならずとも期待してよさそうだ。
(塩勢知央)