2023年10月にインボイス制度が施行されることもあり、とくにフリーランスの確定申告は慎重に進める必要がありそうです。
2023年6月、フリーランス向けスマホアプリ「スマホ会計 FinFin」や「スマホインボイス FinFin」を運営する会計バンクが、フリーランスで子どもがいない全国の20〜60代の男女200名と、フリーランスで未就学児~大学院生・浪人生の子どもを持つ全国の20~60代の男女200名を対象として、確定申告に関する意識調査を行いました。
その結果、確定申告を面倒に感じている人は80.3%と大半を占めたそうです。さらに、会計業務の中で負担が大きい業務について尋ねたところ、多い順に「確定申告(50.5%)」、「収支の記帳(24.0%)」という結果でしたから、確定申告や日々の集計業務はフリーランスにとって重荷のようでした。
そんな中、会計バンクは保育園併設コワーキングスペースの「ツナグ」を運営するまなびの木と共に、子育て中のフリーランスの方向けにママ税理士へ相談できるイベントを7月19日に開催。このイベントでは、ママ税理士の久保佑紀さんから「限られたスキマ時間を有効活用した経理処理のポイント」が紹介されました。今回はその一部を紹介していきましょう。
■経理の時間を効率化させる
経理とは経営管理の略称で、お金・会計・税金を管理することを指します。 経理は、大きく「収集、記録、経営分析」の3つに分けて考えます。そのうちの経営分析にかける時間の比重を多くして、売上、利益、資金繰りをみながら今後の事業戦略に生かすために、経理を行うことが大切です。経理の目的を正しくとらえることで、経理の時間を効率化させることができます。
■収集には時間をかけない
ありがちなのが、領収書などの収集や整理に時間をかけてしまうこと。先述の通り、大事なのは収集や整理ではなく、経営分析です。売上・経費に関する書類、つまり請求書・領収書・見積書・納品書などは、必要最低限の処理でよいのです。例えば、レシートをファスナー式のクリアファイルに入れるだけにするなどです。過去3年分を手元に置き、7年分まで保管をしていればOKです。
■記録に時間をかけない
記録にもできるだけ時間をかけないようにしましょう。記録とは、会計データや決算書の作成です。ポイントは、会計ソフトを使って自動化すること。とくに、利用のたびに自動で会計ソフトに反映されるネットバンク・クレジットカード・電子マネーに、支払・入金手段を限定するのがオススメです。また、勘定科目や摘要の判断に迷いがちですが、それに時間をかけないことも大切です。貸借対照表の残高を合わせることにポイントを置いて行いましょう。
フリーランスにとって負担の大きい会計処理ですが、便利なスマホの会計アプリを利用すれば、随分と手間は減りそうです。今年は、従来のやり方をぜひ見直してみてはいかがでしょうか。