NEWSのメンバーにして小説家でもある加藤シゲアキの作品が2度目の直木賞候補となったことが12月14日、明らかになった。
この日、日本文学振興会が「第170回芥川龍之介賞・直木三十五賞」の候補10作を発表。その中に加藤の最新作である「なれのはて」も含まれていた。加藤は12年に「ピンクとグレー」で作家デビューを果たして以来、アイドル活動と並行して執筆。20年には「オルタネート」が直木賞の候補となっていた。
「直木賞は1935年に創設され、新聞や雑誌、単行本などで発表された短編及び長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる、由緒ある賞。年2回、受賞作が発表され、今年の上半期は垣根涼介氏の『極楽征夷大将軍』、永井紗耶子氏の『木挽町のあだ討ち』が受賞しています」(文芸誌編集者)
そんな伝統のある賞に、2度もノミネートされたことでネット上では称賛の声が多いが、ごく一部では「まだ忖度が働いとるんかいな」「こうやって話題になれば業界にプラスということはわかるけど、2回目というのは、ちょっとゴリ押し感があるかな」「芥川賞や直木賞などの文学賞の注目度も価値も近年薄れてきてるし、話題を作っていく必要もあるんでしょうね…」などの声もあった。
「加藤が所属していた旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)は、性加害問題が明るみになった際に、これまでテレビ局などのメディアから“忖度”があったことも判明しました。そのため、今回のノミネートも何らかの“忖度”が働いたと考える人が一部にいるようです。しかし、今さらSMILE-UP.に忖度する意味はないですし、9月に行われた会見では、社長の東山紀之から『(忖度は)必要ないです』と明言されています。加藤がノミネートされたのは、本当に、実力によるもの。また、2度目のノミネートが“ゴリ押し”というのも無理があります。これまでも直木賞は複数回ノミネートされる作家は多くいましたし、そもそも1回目のノミネートで受賞することは、あまりありません。今回も加藤のほか3名が複数回ノミネートされていますが、その中の宮内悠介氏は4度目、万城目学氏は6度目のノミネートです」(前出・文芸誌編集者)
それでは今回、加藤が受賞する可能性はどれほどあるのだろうか。
「前回、加藤が受賞を逃した20年の受賞者発表後の選考委員会の会見では加藤の作品に対して『もう1作待つ』と言及されていました。選考委員たちの期待値がかなり高いと思わせるコメントとなっており、ネット上でも今作の評判はかなり高い。受賞もありえると思います」(前出・文芸誌編集者)
受賞作の発表は来年1月17日。その中に加藤の名前はあるだろうか。
(柏原廉)