先の大相撲3月場所の「主役」といえば、実に110年ぶりに新入幕優勝を果たした尊富士にほかならないだろう。一方で、今、大相撲観戦に足を運ぶコアな「相撲女子」を夢中にさせているのが、十両の白熊(しろくま)である。そのベビーフェイスにマッチした可愛い四股名に改名して人気力士に急浮上しているのだ。スポーツ紙デスクがプロフィールを解説する。
「2022年5月場所に入門した二所ノ関部屋のホープです。入門時の四股名は本名からとった『高橋』で、24年1月場所に『白熊』に改名しました。二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が『北海のシロクマ』と呼ばれた元大関・北天佑のように色白で筋骨隆々な姿に重ねて名付けたそうです。四股名が変わるや土俵内外でアツい声援が送られるようになりました。もっとも、ファン対応にも抜かりはありません。取組後にはサインや写真撮影の出待ちファンの行列ができるのが常ですが、1人1人に丁寧に対応している姿が好印象に拍車をかけています。通用口で30~40分待たされる付け人も半ば呆れるレベルの神対応なんです」
そんな虫も殺さぬような見た目をしていてもナメてはいけない。何と、アマチュア時代は体育会系の頂点に君臨した存在でもあったのだ。
「日本体育大学の相撲部で4年次に主将を務めました。当時から、いわゆる“優しいキャプテン”として後輩からの信頼も厚かった。というのも、1学年上に部屋の若手力士への暴力行為が問題になった欧勝馬がいましたからね。御多分に漏れずに白熊も下級生の頃に“かわいがり”を受けていたといいます。それを反面教師にソフト路線の主将を目指したともっぱらなんです。3月場所で尊富士と優勝争いを繰り広げた大の里は部屋と大学の1学年後輩ですが、ほとんど上下関係のないフランクな関係なのが何よりの証拠でしょう。一緒に夜食を作って食べるのがルーティンみたいですよ」(前出・スポーツ紙デスク)
気は優しくて力持ち―。新入幕のタイミングで角界の枠を超えたニューヒーローとして注目を浴びること間違いナシだろう。