ドジャース・大谷翔平の元通訳で銀行詐欺をはたらいた疑惑がある水原一平容疑者をめぐる報道に関して、お笑いタレント・今田耕司がワイドショーのコメンテーターに謝罪を求めるような場面があった。
米カリフォルニア州の司法省が4月13日までに開いた会見では、マーティン・エストラーダ検事が水原容疑者にまつわる捜査結果を発表。違法ブックメーカーへの借金を返済すべく、水原容疑者が大谷の口座から24億円以上を不正送金していたことがわかったといい、その手口は口座の設定を勝手に変更したり、大谷になりすまして銀行に電話をかけるといったものだったようだ。
つまり、大谷は完全なる被害者だったことになるが、14日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演した今田は「でも、『大谷さんが知らないわけないじゃないですか』とか言ってた人、今どんな気持ちなんやろ?」と、大谷が水原容疑者による違法賭博への関与を知った上で借金を肩代わりしていた可能性を述べたコメンテーターにチクリ。番組MCの東野幸治から「それぞれの方のYouTubeで、それぞれ謝ってるらしいですよ」と説明されると、今田は「ならいいですよ」「再生回数が稼げて、お金が入るのはわかりますけど、もう少し待ってからさ、話したらいいじゃん」と、真相が明らかになる前に言及することのリスクを語っていた。
ちなみに、フリーアナ・古舘伊知郎も同じように警鐘を鳴らしており、自身のYouTube動画から「やれ、国際弁護士だの大リーグ事情通だのという人たちが“大谷関与説”をいろいろとテレビで垂れ流してたのは事実。謝るなら謝ったほうがいい」と主張していた。
こうした流れを受け、SNSでは、ワイドナショー「ひるおび!」(TBS系)での国際弁護士・八代英輝氏の“てのひら返し”発言に批判が集まっている。
「当初、水原容疑者は現地メディアの取材に対し、大谷が自分の借金を肩代わりしてくれたと嘘の証言を残して、直後にそれを撤回していたことから、八代氏は大谷も『合意の上で送金したのが普通、自然(な見方)だと思う』と予測していました。もしそれが事実だった場合、大谷にも何らかの処分が下されてしまうことになるわけですが、今回の現地司法省の発表は、水原容疑者が単独で強行した不正送金だったことを示しており、八代氏の“推理”は外れた格好です。ですが、4月12日の『ひるおび!』で、八代氏は、『いろいろな疑惑がありましたが…』と切り出しつつ、大谷が関与していなかったことが『裏付けられた』とコメントするに留めており、関与説を疑ったことへの謝罪はありませんでした。とはいえ、あの時点で出そろっていた情報からコメンテーターとして見解を述べるのであれば、あのような予想に行き着くことは不思議なことではなく、水原容疑者に翻弄された日本人は八代氏だけではなかったといえるでしょう」(テレビ誌ライター)
捜査関係者でもなく、みずから取材をしているわけでもないコメンテーターが各ニュースに持論を添えるという番組構成上、真実からズレた見解を残してしまうことは起こりうること。ただ、視聴者を始め、大谷ファンからすると、ひと言のお詫びがほしかったというのが正直な思いなのかもしれない。
(木村慎吾)