「あぁ、首の筋肉がコッてつらい‥‥」そんな症状に悩んでいる人も多いのではありませんか。
「首は背骨の中でも一番細い頚椎の重なりと小さな筋肉の集まりで構成されています。その首で成人では5~6kgになる頭部を一日中支えているわけですから、疲れがたまりやすくなるのは当然。血行も滞ってコリが発生しやすく、解消されにくいのもこうした理由です。それに加えて最近は、通勤時間に電車の中でスマホを見たり、会社に着けばパソコンでの長時間作業をしたりと、うつむき加減の姿勢を取ることが多くなり、余計に負担をかけています」
こう話すのは様々な疾病やスポーツ障害などの記事を書く医療ライター。たかがコリだからとそのままにしておくと、やがて首の不快感以上の病気にも発展しかねないそうです。
「最近取材した脳神経外科の専門医の話によると、首の筋肉が凝り固まると、脳から全身へと張り巡らされている神経を圧迫し、脳への血行を阻害。それが原因で自律神経、特に副交感神経の不調を招き、体中に様々な悪影響を与えるそうです」(前出・医療ライター)
その影響というのが、頭痛やめまい、自律神経失調症にパニック障害、うつ症状や不眠、胃腸の様々な障害などだそうです。また、女性の更年期障害の症状と言われる不定愁訴も、調べてみると70%はホルモンではなく自律神経側に問題が見つかることがあるそうです。では、どうやって解消したらいいのでしょうか。
「パソコン仕事が15~30分以上続いたら、後頭部に手を当てて、首の力を抜くようにしてゆっくり後ろに反らして30秒ほどリラックスさせてあげてください。それから頭をゆっくりと左右に2回ずつ回すなどして、周辺の筋肉をほぐせば首コリ予防になります」(前出・医療ライター)
でも、すでにツライ首コリに陥ってしまった場合はどうなのでしょうか。
「すぐにマッサージに行きたくなりますよね。確かにそれも悪くはないのですが、自分でできるもっと効果的な“ホットタオル法”というのがあります」(前出・医療ライター)
これは取材した脳神経外科医が患者にも指導している方法で、やり方はとっても簡単だとか。
「小さめのタオルを水で濡らします。それを軽く絞ったらラップに包んで、500~600Wの電子レンジ1~2分温めるのです。レンジから取り出したら手で触ってみて心地好いくらいまで冷まし、別のタオルに包んで首の後ろに当たるように巻くだけです」(前出・医療ライター)
こうすると、首の筋肉の緊張が緩んで強張りがなくなるだけでなく、首の太い血管も温められるので、全身が暖まるのだそうです。
「また、自律神経も副交感神経が優位に働くようになるので、リラックスができて原因のはっきりしない不調の解消にも役立つことが期待できます。ただし、偏頭痛持ちの人は首の後ろを温めると悪化してしまいますから、やらないでください」(前出・医療ライター)
偏頭痛がある人は注意が必要ですね。でも、タオルが冷めてきたら温めなおせばいいので、1日数回繰り返してもいいそうです。さっそく、試してみてはどうでしょうか。