大塚製薬が2024年4月に全国の日本人女性のうち20~34歳の1,174人、35~59歳の2,826人に実施したアンケート調査では、女性特有の不調や症状について、それぞれの年代どちらも約6割は「医療機関などを利用していない」と回答していました。
医療機関にはかからずともセルフケアは行っているようで、更年期症状の原因である女性ホルモンに対してどのような対処や対応を行っているのか尋ねたところ、どちらの年代でも大豆食品の摂取、食事・睡眠・運動の健康三原則を行っているという人が多くいました。具体的には、「納豆・豆腐などの大豆食品をよく食べる」「栄養バランスのよい食事を摂る」「質の高い睡眠を取るようにする」「適度に運動する」などです。
また、20~34歳は35~59歳より、ピルやホルモン補充療法を活用し、医薬品・漢方薬の利用やアプリ・体温測定による自身の女性ホルモンの変化を把握している人が多いという結果もありました。
そしてどちらの年代も、セルフケアに加えて医療機関も合わせて利用している人のほうが、両方を行わない人よりも日々の生活に対する満足度が高いという結果だったので、セルフケアの他に、医療機関の受診を検討するのもよいかもしれませんね。
■メンタル面の症状とはどう向き合えばいい?
更年期症状には、気分の落ち込みやイライラ、意欲の低下といったメンタル面の症状がみられることもあります。「メンタル面はどうしようもない……」と対処をあきらめてしまいがちですが、効果的な対策はあるのでしょうか。
大塚製薬が女性の健康推進プロジェクトの一環として行った産婦人科専門医で医学博士の高尾美穗さんへのインタビューでは、「気分の落ち込みとどう向き合えばいいですか?」の質問に対して、高尾さんは次のようにコメントしています。
「おそらく女性ホルモン『エストロゲン』の低下が影響していると思われます。ただ、それだけが原因というわけではなく『自身の緩やかで小さな変化に気が付いてしまいやすい時期』であることも関係しているのではないでしょうか」
「現状をきちんと捉えることが大切です。自身の体と心、あるいは環境にそれぞれどんな変化が生じているのか。そして、それぞれにどんな対処ができるのか。(中略)起きている問題をすべて『年齢のせい』のように大雑把な捉え方をして思考停止してしまうと打てる手も打てなくなりますから、まずは自身の悩みや困りごとについて整理してみるとよいでしょう」
つい年齢のせいにして流してしまいがちですが、何かと忙しく周りから頼られる年代だからこそ、自分自身を大切にして、毎日を快活に過ごしたいですね。
■更年期を前向きに過ごす対策になるサービス2選
更年期症状の緩和のためにはいろんなアプローチができますが、それらの対策に役立つサービスや商品もどんどん増えています。ここでは新しいサービスを2つ紹介しましょう。
●女性ホルモン検査「MENOPO CHECK FOR WOMEN」
あすか製薬メディカルの最新の検査技術を活用した、自分の髪の毛をカットして送るだけで女性ホルモン検査が受けられるサービスです。
結果としては、女性ホルモンであるプロゲステロンの量が数値化され、レベルが4段階で示されます。専門家によるケア方法のアドバイスとともに、ちょっとした相談ができるのもポイント。自分の女性ホルモンのレベルがどのくらいなのかを“見える化”することで、対策が適切に行えそうですね。
●オンライン更年期診療「MYLILY(マイリリー)」
更年期症状に悩んでいる人向けの、オンラインで医師の診療が受けられるサービスです。医師の診療、処方、薬の受け取りまでを、スマホのLINEで完結できます。
忙しい毎日の中ではどうしても婦人科通いが億劫になりがち。でも、症状緩和はあきらめたくない。そんな人にとっては手軽に使えて便利です。
更年期の症状は、前向きにとらえて過ごすことでよい方向に向かっていくと考えられます。ぜひこの機会に、更年期対策を考えてみてくださいね。