これは女優・渋谷凪咲の代表作になるかもしれない。1月14日からスタートした佐々木希主演ドラマ「地獄の果てまで連れていく」（TBS系）で、佐々木演じる主人公の橘紗智子の人生を狂わせた“無邪気な殺人鬼” 花井麗奈を、渋谷がまさに“怪演”しているのだ。
高校時代に父親が「人殺し」として自死したとされ、クラスメイトからいじめを受けていた坂東幸和子（佐々木）。そんな幸和子の唯一の味方だと思っていた黒川麗奈（渋谷）だったが、実は麗奈は罪悪感や良心のないモンスター級の殺人鬼だったのだ。
幸和子はその後、麗奈から殺人の罪を着せられ、さらに幸和子の父親の命を奪っていたことも知らされる。14年前、地獄に叩きつけられた幸和子は、顔も名前も過去も捨てて橘紗智子となり、結婚して子どもが生まれたばかりの幸福な麗奈のもとに、ベビーシッターとして潜り込むことに成功。これから幸和子＝紗智子の復讐が始まるという第1話だったのだが、渋谷のチャームポイントである「満面の笑顔」がとにかく恐ろしく見えることが実に素晴らしい！罪悪感や良心がないからこそ、人を殺害して血みどろになっても、満面の笑みを見せている麗奈というモンスターにリアリティーが生まれ、背筋がゾクゾクするほど恐ろしいのだ。
渋谷を麗奈役にキャスティングしたことは大成功と言っていいだろう。「昼ドラ的ドロドロ」が好きな人にはきっと大好物だと思うので、ぜひともオススメしたい。
（津島修子）
