【初恋DOGs】清原果耶と成田凌を“ただのラブコメ”に出演させるのは無駄遣いではないだろうか
7月1日から始まった新ドラマ「初恋DOGs」(TBS系)にどんよりした声があがっているようだ。それは、2018年放送の「透明なゆりかご」(NHK)で主演した時は、まだ16歳だった清原果耶が見せた、悩んでも前に進んでいく強さに心を震わせた人や、今年1月期放送の「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系)で成田凌が、ほんの10秒ほど視聴者側を見つめるだけで、妖しさやヤバさ、怖さや闇を漂わせていたことに心を鷲づかみされた人が、「ただのラブコメ」を演じている2人を目の当たりにしたからだろう。
この夏の連ドラの中で、最も早くスタートした「初恋DOGs」だが、ワタシの知っている清原果耶はこんなんじゃない、これだとワタシが好きな成田凌の無駄遣いじゃん、と残念な気持ちになった人が少なくないようだ。
離婚訴訟を主に扱う弁護士の花村愛子(清原)は、恋愛に興味がないという理由に、どうやら手痛い失恋をしたことがあるようだ。
24時間診療の「しろさき動物病院」院長を務める白崎快(成田)は、明るくフレンドリーな性格に見えるが、実は人を寄せ付けないキャラで、何か理由がありそうだ。
そんな白崎の現在の相棒は、かつて迷い犬だった「将軍」なのだが、この「将軍」を「祖母が大切にしていた”愛犬ロッキー”だから返してほしい」と現れたのが、韓国屈指の大企業の御曹司で財閥三世のウ・ソハ(ナ・イヌ)だ。
愛子にも愛犬の「サクラ」という存在がいて、愛子の愛犬「サクラ」と白崎の相棒「将軍」は、散歩中に出会ってすでにフォーリンラブしているので、今後は犬同士の恋は進むが、愛子と白崎の恋は進まず、その間にウ・ソハが割り込んできて三角関係になることだろう。
このドラマのキャスティングをした人は、2021年公開の映画「まともじゃないのは君も一緒」で、対人コミュニケーションが苦手な予備校講師を演じる成田と、自分のことを「普通じゃない」という、その予備校の教え子を演じる清原のことを見ていると思われるが、あの時の2人はステキだった、と過去形で思わせないでほしい。
「初恋DOGs」が「ただのラブコメ」でなく、心を躍らせるような展開になると信じたい。
(森山いま)
