ダウンタウンチャンネルは“吉本チャンネル”の一つだった!明石家さんまの説明で見えてきた「懸念」とは
明石家さんまが、8月23日放送のラジオ番組「ヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)で語った、吉本興業が11月1日から開始するネット配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮)」についての説明が波紋を広げている。
リスナーから「吉本が発表した新しい配信チャンネルについてよくわからない」との質問が届くと、さんまは「吉本チャンネルみたいなもんでね。いろんなものをやりながら、どう言うてあげたらわかりやすいのかなあ…とにかく吉本的にはお金をいただいて、(いろんな芸人の)配信が固まったチャンネルやな。そう思っていただいたほうがわかりやすいのかな」とファンに向けて説明した。
ちなみに、吉本興業は「ダウンタウンチャンネル(仮)」のスタート日などについて、さる8月20日に発表したが、その2日前の18日、「コンテンツファンド」の組成についても報告。その内容については、「明石家さんま、ダウンタウンをはじめ、中川家、千鳥、かまいたち、マヂカルラブリー、チョコレートプラネット、渡辺直美、霜降り明星や、今後活躍が期待できる若手を含む弊社所属タレントがプロデュース・出演するコンテンツのほか、スポーツ選手のドキュメンタリーやオーディション番組などの制作を予定しており、海外へのフォーマット販売も視野に入れながら、順次拡大してまいります」と説明している。
この2つを考え合わせると、「ダウンタウンチャンネル」のみがスタートするのではなく、他の吉本芸人のコンテンツもスタートするようなのだが、コンテンツファンドのほうは当初、「ダウンタウンチャンネル」のニュースの陰に隠れるように、あまり話題になっていなかった経緯がある。
番組に話を戻すと、共演者の村上ショージから「サブスク(月額課金制)なんですね?」と尋ねられるさんま。すると、「そうそう。そこでいろいろ振り分けていって、ダメなチャンネルもあるやろし、いいチャンネルから回していくっていう。だから、若手とかいろんな人たちもやらせて、とにかくどこかが頑張って儲ければ、かなりの人数が生活できるようになれるというシステムをやってるということやねんな。それが11月1日からダウンタウンが始めよんねんな」と詳しく説明したのだった。
さらに具体的な料金体系についても話題が及ぶと、村上が「お金がいるわけやんか。見るためには。設定はどれぐらいにすんのかね?」と問いかけ、さんまは「それはタレントによって違うみたい…と言うてた」と明かした。「一律じゃないんですね」と重ねられると、「一律じゃない。ということだと思いますよ。まだはっきり決まってないやろけども、そうするみたいですよ。頑張って欲しいですね」と期待を込めて語っている。
「芸能界を活動休止している松本人志が、昨年末に旧知の芸能記者のインタビューに答える形で、その構想が明かされた『ダウンタウンチャンネル』ですが、ダウンタウンほどの人気があるコンビであれば、一定以上の月額課金を設定しても十分にファンはついてくるでしょう。彼らはYouTubeなどの無料コンテンツをほとんど発信しておらず、今回の『ダウンタウンチャンネル』にしかないオリジナル映像には大きな需要があります。しかし、中堅や若手芸人が同じシステムに挑んだ場合、成功の保証があるかはまだ未知数と言えるでしょう。実際、多くの若手はすでにYouTubeチャンネルの中で自由な企画を“無料”で発信しており、わざわざ月額を払うだけの差別化ができるかどうかが最大の焦点となり、懸念されるポイントですね。一つの戦略としては、各コンビの単独ライブやツアーで披露した限定コンテンツを有料配信し、地方在住で足を運べないファンや、抽選に外れた人に届ける方法が考えられます。ただ、それだけで毎月のサブスクを維持するのは難しく、遅かれ早かれ、コンテンツの安定供給という大きな壁にぶつかるでしょう。結局、持続的に魅力的な“有料級”の動画コンテンツを生み出せるかどうかが、成功と失敗を分けるポイントになりそうですね」(テレビ誌ライター)
ダウンタウンのチャンネルは、そのブランド力ゆえに高い注目を集めているのは間違いない。しかし、この仕組みを他の芸人が展開する場合、課金制のハードルを越えられるかどうかは、各芸人らの実力にかかっていると言えそうだ。
(木村慎吾)
