若手社員の間で広がる「退職代行」「ゆる転職」で困る中小企業……その打開策は?
Z世代を中心とした若手社員の間で「退職代行」や「ゆる転職」などがトレンドワードになっています。一方で、人手不足が課題の企業としては悩ましい問題ともいえます。そんな中、いま中小企業が行うべきこととはいったい何なのでしょうか?
本人に代わって退職の意思表示をするサービス「退職代行」は、利用する世代の多くが20代との調査結果があります。退職のハードルが下がることで、雇用側にとっては離職率が上がる懸念があります。
また、日頃から転職サイトに登録するなどの情報収集をしつつ、辞めたくなったらすぐに転職する「ゆる転職」もよくみられます。その背景には、会社への愛着心や帰属意識が薄い点があると問題視されています。
中小企業をはじめとした人事コンサルティングを行う日本人事経営研究室代表取締役の 山元浩二さんによれば、「Z世代を惹きつけるために、企業は人事評価制度と経営計画を見直すことがポイント」だと話します。
人事評価制度については、Z世代社員が将来のキャリアプランを持てるように、どうしたら昇格・昇進するか賃上げ額はいくらかを明確にすること。経営計画については、経営理念、行動指針、ビジョン、成長計画、戦略などを通じて自社の存在意義は何か、どう成長していくのかなどを明確にすること。
これら人事評価制度と経営計画を組み合わせることで、Z世代社員組織の成長に合わせた自身の成長計画が描け、5年、10年後の年収目標から将来の人生設計が立てられます。このことがやりがいや働きがいにつながり、Z世代社員の成長スピードアップ、定着率アップ、愛社精神向上などが実現。山元さんは、これを「ビジョン実現型人事評価制度」として推奨しています。確かに、社員の立場になってみれば、こんな制度のある会社ならやる気も湧いてきそうです。
職場にいる、いつ辞めるか分からないZ世代に不安を抱えているなら、まずは「自社は何ができるのか?」「Z世代社員に価値を示せているか?」「将来のキャリアプランを提供できているか?」を考えるのが賢明といえるかもしれませんね。
