【終幕のロンド】なぜだ?!「草彅剛、月10、カンテレ」3つそろえば名作ドラマだったはずが…
12月22日に「終幕のロンド‐もう二度と、会えないあなたに‐」(フジテレビ系)が最終回を迎えたが、視聴者からは“トンデモドラマ”と視聴者に認定された感が強い。
草彅剛主演の月曜10時枠でカンテレ制作のドラマといえば、「戦争シリーズ」と呼ばれる「銭の戦争」(2015年1月期)、「嘘の戦争」(2017年1月期)、罠の戦争(2023年1月期)のような、「名作ドラマ」を作るための3大要素として認識されていたため、「終幕のロンド」の放送終了直後にはネット上に「ナニコレ?」「どうしちゃったのよつよぽん!どうしちゃったのよカンテレ!」「遺品整理に重点を置いたら名作になったと思うんだけど、いろいろ詰め込み過ぎで迷走したな」「偶然や突然があまりにご都合主義過ぎて徒労感がひどい…」といった声が相次いだ。
特に視聴者を呆然とさせたのは、最終回の前半と後半で登場人物たちのキャラが「全員善人」に変わってしまったことだろう。個人的には、村上弘明演じる「御厨ホールディングス」の先代社長・御厨剛太郎が、息子の利人(要潤)から「過重労働自殺者隠蔽」の事実を内部告発され、記者から囲まれたとたん、コントのように胸を押さえて倒れるシーンが衝撃的すぎてガックリしてしまった。村上はこんな演技をするような役者ではないと思うし、このタイミングでそれはないだろうとも思った。
そんな「村上ショック」を味わっているうちに、自分から「2度目の別れ」を告げておきながら、樹(草彅)との「思い出の公園」で微笑みながら立っている真琴(中村ゆり)と、病院に遺品を取りに走っていたはずの樹が再会して“ふんわり”とドラマの幕が下りたので、後味のスッキリしない気持ちが胸に充満してしまった。
カンテレには草彅主演の見応えある新作ドラマの制作を期待している。
(森山いま)
