男性にとって、女性の料理の腕前というのは、恋に落ちるための要素であり、さらに将来を考えるキッカケになる大事なものです。
だから仲良くなってくると必ず、「得意料理は?」と尋ねられます。ここで、「特にない」なんて答えようものなら、恋人候補から即刻除外されてしまうでしょう。
男性にとってこの質問は、恋愛を進展させるための布石でもあります。答えに興味を持ったのなら、「じゃあ今度作ってよ」という流れに持ち込むことができる。女性を家に招く口実になります。何気ない質問のようで、これからの2人の関係を左右する重要な意味が込められているのです。
では、何を作ると男性に喜んでもらえるのか。手の込んだ豪華な料理か、それともお母さんから教えてもらったような家庭の味か。少ないチャンスをものにしようと、気をもむところでしょう。それぞれ嗜好に違いもあると思いますが、まずは一般的な男性があまり好まないメニューを把握しておいてください。
まず、女性が作ってしまいがちな、カフェで出てくるようなオシャレを意識したワンプレートメニューです。お肉やお魚、野菜などがバランスよく盛り付けられていて、彩りも鮮やか。テーブルも華やかになり、見た目にも楽しめるメニューです。でも、これでは男性は満足しません。朝食ならまだしも、夕飯として出されたら不機嫌になること請け合いです。それに、色んな食材を使えば材料費だってバカになりません。お金はかかるのにお腹は満たされない日々が続くのかと思えば、気が滅入ってしまうでしょう。
それと、相手の健康を気遣いすぎるような料理も、男性にはあまり好まれません。ふだんから不摂生が続いているだろうと、野菜や大豆製品を中心にしたヘルシーな食材でまとめあげられたもの。湯豆腐などがいい例です。せっかく女性と一緒に居るのに、なんでこんなさもしい食事をしなければいけないのかと、惨めな気持ちになります。湯豆腐ではご飯だって進みません。そのうち家では食事をしなくなってしまうかも。
惜しいのが女性らしさ、可愛らしさを重視したメニューです。クリームシチューやカニクリームコロッケなどが挙げられます。見た目も可愛いしほのぼのした雰囲気が伝わりますが、湯豆腐同様あまりご飯が進む料理ではありません。合格点ではありますが、男性の芯に響くまでには至りません。ハートは掴めても胃袋までは掴めないといったところでしょう。
できるだけ簡単に、男性が求めるような料理を作りたいのであれば、定番料理にちょっとしたアレンジを加えたものが一番です。ピリ辛の韓国風肉じゃがや、トマト味の洋風もつ煮込み、豚ではなく牛の角煮などもオススメ。内容を聞いただけでも、「おっ?」と興味をそそられるはずです。アレンジ上手はデキる女の証。恋の味つけだってきっと上手なはず。
「何作ってるの?」「ヒミツ」なんてむず痒い会話が、愛を育んでいくでしょう。
オガワ・チエコ:料理研究家。雑誌やテレビ、書籍などで活躍中。著書に「彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん」(セブン&アイ出版)、「おにぎらずの本」(泰文堂)、「スティックオープンサンドの本」(講談社)など。HP: http://www.ogawachieco.com/