主演映画「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」で、神の舌を持つ天才料理人を好演した嵐の二宮和也。作中では、本来の左利きから右手に代えて華麗な包丁さばきを見せたほか、憑依型俳優の真骨頂を見せている。
しかし、二宮本来の姿は食に無頓着。昼夜が同じメニューでも、まったく気にならない。それには、幼いころの原体験が関係していると、番組制作会社のスタッフは教えてくれる。
「ニノいわく、『ちっちゃいころから食べるもんが全部うまかったんで、大人になってから、あれ食べたい、これ食べたいという好奇心がなくなっちゃった』そうです。それもそのはず、彼のお父さんは服部栄養専門学校の日本料理の講師で、お母さんはその助手だったんです。幼いころに食べた料理が美味しかったのはそのため。高級料理を自分の金で食べられるようになった今でも、興味が湧かないそうです」
さらに運命は続く。「ラストレシピ」のクランクインまでのおよそ2カ月、二宮は料理監修を務める学校で修業を積んでいる。それが、服部栄養専門学校だったのだ。
「しかも、彼の担当だった人から『僕、二宮先生の生徒だったんですよ』と打ち明けられているんです。それを聞いてからは少し、高圧的に出られるとほくそ笑んだとか(笑)。小さいころから両親に連れられて、何度も学校に行っていたため、タレントで校長の服部幸應さんとも仲良し。そんな美少年が34歳になって主演俳優になったんですから、校長も感慨深いことでしょう」(前出・番組制作会社スタッフ)
興行収入はイマイチ振るわない「ラストレシピ」。だが二宮にとって、親孝行の作品になったに違いない。
(北村ともこ)