6月1日に放送されたNHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」で、ヒロイン鈴愛(永野芽郁)の祖父・仙吉(中村雅俊)が、サザンオールスターズの「真夏の果実」を突然弾き語りするシーンが登場して、朝ドラファンの間でも衝撃が走った。
「鈴愛の弟・草太と2人きりの夜を過ごすことになった仙吉は、まず草太が生まれた年に流行ったガロの『学生街の喫茶店』を懐かしそうに弾き語りで歌います。嬉しくなった草太は、『じいちゃんが僕くらいの時の青春の歌うたってよ、聞きたい』とリクエスト。ところが仙吉は、『おじいちゃんの青春時代の歌は、ロクなもんなかった。軍歌とか』と言って肩を落とします」(テレビ誌記者)
そこで亡くなった仙吉の妻・廉子(風吹ジュン)のナレーションで、兵隊として満州に渡り、終戦後なんとか生きて日本に帰り着いたという、仙吉の今までに語られたことのなかった過去が明らかになる。その後、物思いに耽る仙吉が、突然「サザン歌おうか」と言って弾き語りで歌い始めたのが「真夏の果実」という訳だ。
「これには視聴者も大興奮。ネットでも『唐突に中村雅俊ライブ!!』『中村雅俊ライブイン半青!』『どー見ても仙吉さんではなく、中村雅俊さんだよね。どーせなら「ふれあい」を歌って欲しかった』という声が躍りました。しかもしみじみと歌い上げ、『こんな歌がじいちゃんの青春時代にあったらよかった』と仙吉がつぶやくや、『中村雅俊さんの真夏の果実、朝から泣いてしまったよ』『戦争の映像にサザン?とか思ったけど、こういう歌を奧さんに歌って上げたかったという仙吉さんの言葉に泣けた』と言った声が寄せられました。サザンの『真夏の果実』が、まるで鎮魂歌のように聞こえましたね」(テレビ誌記者)
しかし、なぜ唐突に中村雅俊がサザンの「真夏の果実」を歌ったのか。
「去年の朝ドラ『ひよっこ』の主題歌『若い広場』をサザンの桑田佳祐が担当。紅白歌合戦にも出演して話題を振りまきました。今年の6月は、そのサザンが『勝手にシンドバッド』でデビューしてちょうど40年。記念すべきアニバーサリーをお祝いする意味もあったのではないでしょうか」(スポーツ紙デスク)
朝から中村雅俊のワンマンライブ。今回の朝ドラは、こんなサプライズが魅力のひとつだ。
(窪田史朗)