早くも、羽生結弦に3連覇の追い風が吹き始めた。
来シーズンよりフィギュアスケートの審査基準が大幅に変更される。正式には6月中に開催される国際スケート連盟(ISU)の総会での手続きを経てからになるが、日本はもちろん、アメリカ、ロシア、カナダなどの「フィギュア強豪国」も新ルールを後押ししているという。
「新ルールの影響を受けるのは、男子のほうです。特に羽生にとっては有利なものとなるはず」(体協詰め記者)
ジャンプの基礎点の付け方に幅が広がる。先の平昌冬季五輪では「出来栄え点」のプラスマイナス3の7段階で加減点されていたが、新ルールでは、プラスマイナス5の11段階になる。また興味深いのは、男子フリーの演技時間が270秒から240秒に短縮されること。8本のジャンプを飛ばなければならなかったが、240秒ならば、7本で済む。次回冬季五輪を27歳で臨む羽生にとっては“スタミナ切れ”の心配も少なくなるわけだ。
「羽生のライバルたちは『スケーター』というよりも、『ジャンパー』です。ジャンプの数ではなく、完成度や演技力で加点を付けてきた羽生にとっては、新ルールはありがたい限りでしょう」(前出・体協詰め記者)
ジャンパーよりも演技派スケーターが有利となる。体力を消耗するジャンプが7本で済むのは、ラッキーだ。「240秒のラッキー7」で、羽生は長期王者に君臨しそうだ。
(スポーツライター・飯山満)