フィギュアスケートGPシリーズロシア大会で負傷して療養中の羽生結弦選手が、12月6日に開幕するGPファイナルへの出場を辞退することが発表された。じっくり治療をしてほしいという声が上がる一方で早い復帰を望む声も多く「全日本選手権には出場するのでは」と期待する声も聞こえてくる。昨シーズンのケガよりは軽いだろうから、復帰も早いだろうというのだ。
「昨年のケガは平昌五輪の出場も危ぶまれました。コーチのブライアン・オーサーによると、これまでもケガや病気での休養に慣れているはずの羽生選手も不安に思っている様子だったと言います。そんな羽生選手を復活に導いたのは、オーサーコーチのとっておきの魔法の言葉『6週間』。羽生選手はケガや病気で休んでも6週間あればモチベーションも体調も試合に合わせ最高の調子に上げられるという、これまで指導してきた6年以上の経験からオーサーコーチが見つけ出した数字だそうです。五輪という正念場の前に、普通の選手ではあり得ない6週間という驚異的なスピードでこれまでも調整できたから大丈夫だ、オーサーコーチはそう羽生選手に話し、具体的な復帰のためのスケジュールを組んでいったんです」(スポーツライター)
とはいえ、今回はケガをした11月17日から数えても全日本選手権は、やっと5週間目。安静に充てる時間を抜いてもあり得ない数字だ。11月29日には病状についても発表され、3週間の安静と1カ月のリハビリが必要だというから、全日本選手権の欠場も確実だろう。だが、先のライターは、この「6週間」という言葉は、今シーズンもファンにとっての希望の言葉になるという。
「さすがに、12月に行われるGPファイナルや全日本選手権に出場しないということは、ある程度フィギュアスケートを観てきている人なら誰でもわかることです。それより世界選手権です。こんなケガを負ったら、普通の選手なら世界選手権も欠場するでしょう。しかし、今回の発表によれば羽生選手は1月の半ばにはリハビリを終えますから、世界選手権開催の3月20日は、本格的な練習を始めて6週間というギリギリの日程になっているんです。五輪の時も、1回転から始めたジャンプの練習が、最終的に4回転の成功にまで回復したのは本番の直前でした。オーサーコーチは、五輪の羽生選手の演技を『奇跡』と呼んでいましたが、世界選手権で羽生選手が再びその奇跡を見せてくれるだろうと、オーサーコーチの魔法の言葉から期待できるわけです」(前出・スポーツライター)
ぜひとも見事な復活劇で、自身の原点である今シーズンの演目の完成版を見せてほしいものだ。
(芝公子)