デカ尻願望を抱く女性が急増中だ。美容整形手術により豊かな尻を手に入れて指名を2倍に伸ばした夜のキャストもいるという。ブームの背景に迫った。
「ずっとスレンダーボディ願望を持っていて、大きなお尻はコンプレックスでした。でも、カメラマンやファンの方に何度もホメていただけるので、雑誌のグラビアでお尻の露出を増やしたら、ブログの閲覧数が5倍にも増えたんですよ。おかげで念願だった写真集を出すこともできました。今年は、断然“お尻推し”でいきます★」
肉感的な“豊尻〈ほうこう〉”を武器にグラドルやレースクイーンとして活躍する安枝瞳(26)が語るとおり、今、デカ尻ブームだ。
現在では「豊尻手術」と呼ばれる美容整形手術がある。ラテン系女性のようなハリと弾力のある桃尻が容易に得られるこの手術で高い実績を誇る、東京ジェイズクリニックの大賀勇人院長が解説する。
「南米では非常にポピュラーなもので、日本では10年くらい前から浸透し始めました。以前は小尻を目的とした脂肪除去が多かったのですが、最近はボリュームを出したいという女性が目立ってきていますね」
首都圏だけでなく、北海道や広島県など全国各地から希望者が殺到。職業はOLから風俗嬢、キャバ嬢、ポールダンサーなど、年代も20代前半から50代まで多岐にわたるという。
豊尻手術には「ヒアルロン酸注入」「脂肪注入」など、複数の方法がある。特に、需要が高いのがジェル状のシリコンを挿入する「インプラント挿入」だ。
「ヒアルロン酸注入はメスを使いませんが、徐々に吸収されるので2年ほどでもとの状態に戻ります。しかし、割れ目の内側から左右両方のお尻にシリコンを入れるインプラント挿入は、半永久的にボリュームを維持できます。日本人の体形に見合ったシリコンも登場するなど、自然な豊尻を実現できるようになりました。手術にかかる時間は、90分程度。数時間後には歩いて帰ることができます」(前出・大賀院長)
費用は約80万円。座れば全体重がかかる部位だけに、シリコンは豊胸用よりも丈夫なものが使用されている。しかし、破裂や感染症による激しい痛みや発熱が起こりうるリスクもある。昨年10月には、タイのクリニックで、20代の英国人女性が豊尻手術中に死亡したニュースも報じられた。
最悪の場合、死亡するリスクがあるにもかかわらず、なぜ女性たちはみずからの尻を盛り上げようとするのだろうか──。今回のデカ尻ブームについて、前出の大賀院長はこう分析する。
「そもそもお尻はセックスアピールにおいて重要なパーツ。安定した下半身を手に入れたいと考えるのは男女ともに人間の本能なんです。社会の不安定さが『下半身だけでも安定したものであってほしい』という欲求につながっているのかもしれません」
2月に豊尻手術を受けた、化粧品販売員として都内の百貨店に勤務するY子さん(32)に話を聞いた。
「女優の鈴木京香さんのような女性らしい肉感的な体にずっと憧れていたんです。手術前はのっぺりしたお尻でした。ヒップが変わったことで、美脚効果も生まれました」
ボディラインがはっきりと出るタイトなスカートやパンツをはくことに抵抗がなくなったY子さん。交際中の男性とのセックスライフも充実したという。
「手術を受けることをカレに相談したら、最初は反対していたのですが、今はグラマーになったと喜んでくれています。バックでの挿入を求めてくることが多くなりましたね。シリコンの違和感もないみたいで、セックスの最中はずっとお尻をなでてくれるんです」
この他にも豊尻手術を受けて指名が2倍になったキャバ嬢もいるという。“デカ尻ブーム”が、どこまで続くのか注目だ。