今年は花粉が猛威をふるい、花粉症に悩まされていた方はようやく一安心といったところではないでしょうか。そんな花粉症などの「アレルギー」が、近年は増えているといわれています。
慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授によると、近年アレルギー人口が増えたのは、世の中が清潔になり過ぎて、免疫システムのバランスが崩れたせいといわれているそうです。免疫システムには、感染症になったときに働く「Th1細胞」とアレルギーのときに働く「Th2細胞」があり、均衡を保っています。昔は感染症患者が身近にいたことから、Th1細胞がしっかり働いていたところ、近年は衛生環境が整って感染症が激減したことから、免疫システムの均衡が崩れてしまっているのだとか。その結果、Th2細胞が本来なら攻撃しなくていいものまで攻撃するようになってしまい、それがアレルギーなんだそうです。
では、その崩れた免疫のバランスを戻すにはどうすればよいのでしょうか。それは、近年では花粉症によいといわれているヨーグルトなどの「発酵食品」にヒントがあるようです。
「感染症の代わりに、適度な微生物刺激を与えることが有効だと考えられています。その筆頭が腸内細菌です。例えば、花粉症にヨーグルトや納豆のような、発酵食品がよいとされているのは同様の理由からです。ただ、人によって有効な刺激が異なるケースもあるので、ヨーグルト1つとってもいろいろな銘柄を試してみてください」(福田特任准教授)
また、福田特任准教授は、肌と腸は似ているとも話します。それは、どちらも外環境と接しており、生物が住み着いていたり免疫系が発達したりしている点です。肌も腸も、普段から適度な微生物刺激を取り入れることを意識し、免疫を鍛えていきたいですね。