フジテレビは11月30日、土曜プレミアムの特別番組として「IPPONグランプリ」を放送し、初出場となったお笑いコンビ・霜降り明星のせいやが収録時にパニック状態となったことを打ち明けている。
ダウンタウンの松本人志を大会チェアマンに据え、出されたお題に対して“面白い回答”でポイントを積み重ねていく大喜利スタイルの同番組。30日放送分で初出場を飾ったせいやは収録時のプレッシャーとして「テレビで見ていたのとは違って、恐ろしい番組でした」と振り返ると、「他の方々の回答が凄すぎて、“何を書いたらいいんだ”とパニック状態に陥りました」とも告白し、同番組による独特の緊張感に恐怖したという。
「IPPONグランプリの面白さは漫才やバラエティでの笑いの実力と必ずしも比例しない形で優劣が決まるところにあります。たとえば、せいやの相方でM-1とR-1という2つの大きなお笑いコンペティションを制覇した“超エリート”の粗品も今年4月に初出場を飾りましたが、予選ブロックで敗退し、お世辞にも活躍したとは言い難い滑りまくりの惨敗状態でしたからね。松本からは“お笑いIQが高過ぎるが故に苦労してる”というかなり無理のある擁護コメントも頂戴し、本人にもかなり動揺の表情が見えました。この大会は単純な大喜利だけでなく、アドリブ力や瞬発力、表現力などを問うジャンルもあり、千原ジュニアやバカリズム、ネプチューンの堀内健らのように圧倒的な場数を根底とした豊富な引き出しのボリュームも重要な鍵です。デビューから間もないうちにブレイクを果たしたことを評価されているような粗品には、まだまだ時期尚早だったとも考えられるでしょう。言い方やボキャブラリー、そして場合によってはフリップ上の画力すらも勝敗に関わってしまうあまりにも特殊な大会ですからね」(テレビ誌ライター)
M-1王者ですら早々に敗退してしまう“芸人泣かせ”のIPPONグランプリ。歴代の優勝者を見ると、バカリズムやネプチューン・堀内健、バナナマン・設楽統、有吉弘行、そして千原ジュニアなど、一部のベテラン芸人ばかりにトロフィーが集中している点もその難攻不落ぶりを大いに物語っており、上記の面々にM-1王者が1人としていないこともまた興味深い。
実は若手芸人にとって最も制覇したい最難関のコンペティションこそ、このIPPONグランプリなのかもしれない…?
(木村慎吾)