恋愛リアリティ番組「テラスハウス」(フジテレビ系)に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが5月23日に急逝。これを受けて5月25日放送のバラエティ番組「バイキング」(同局系)でも冒頭で伝えたが、視聴者には違和感が残ったようだ。
番組では木村さんの死因は不明だが事件性がないこと、生前SNS上で誹謗中傷を受けてきたことなどを伝え、BBC(英国放送協会)でも取り上げられたことや、元女子プロレスラーの長与千種や歌手のきゃりーぱみゅぱみゅ、プロサッカー選手の本田圭佑らが木村さんを追い詰めたといわれるSNSによる攻撃に対して憤りのコメントを発表したことを報道。
MCでタレントの坂上忍は「SNS上の誹謗中傷ということですけれども、今回の場合は木村さんがお亡くなりになった途端に投稿が削除されていったと。僕の個人的感想ですけど、度を越したような誹謗中傷をやるような人たちって、申し訳ないですけど、その程度の人たちとしか思っていないので」などと持論を展開した。
その後、フジテレビが「木村さんの突然の訃報に接し言葉を失っております。ご親族の皆様へ謹んでお悔やみを申しあげるとともにご冥福を心よりお祈り申し上げます」とコメントをしたことを同局の榎並大二郎アナウンサーが読み上げた。
続けて木村さんを追い込んだ背景について深掘りしていくのかと思いきや、まさかの展開が待っていた。
「木村さんの死に触れた後、番組では昨年11月24日に自ら命を絶ったKARAの元メンバーのク・ハラさんの話題に移りました。ハラさんがネット上での悪質な書き込みに苦しんでいたことなどを報道。また、ハラさんの死後、遺産相続でトラブルが起こったことなどを伝えました。ハラさんもネットリンチによる被害者ですが、放送時間の配分に違和感を覚えました。というのも、放送時間は木村さんが11時55分から12時、対してハラさんは12時から12時27分。木村さんの放送時間はハラさんの5分の1しかたなかった。視聴者からも『今はハラさんよりも木村さんの話題では?』『自局で放送した番組でのトラブルなのに、ハラさんに問題をすり替えた?』などと訝る声が多数上がっています」(テレビ誌ライター)
木村花さんの死去を受け、テラスハウスはNetflixの配信を中止。フジテレビでも番組打ち切りは避けられないとの観測もあるが、番組に巷間言われていた“演出”はあったのか、そのせいで木村さんは“悪役”を演じていたのか、放送した局としてを明らかにしてほしかった。
(石田英明)