2月18日から開催されたフィギュアスケート四大陸選手権。優勝候補の一人に目されていたデニス・テン選手が怪我のため欠場となり、宇野昌磨など、好調日本男子選手の表彰台は確実だろうと前評判は高かった。
「今回の四大陸選手権ほど、波乱に満ちた展開は少ないのではないでしょうか。優勝争いに絡んでくる選手が、今季シニアデビューのボーヤン・ジン、宇野、ハン・ヤンなど若手ばかり。しかもボーヤンが4回転ジャンプを4回成功させ、優勝は確実と思わせながら5位のパトリック・チャン選手が逆転優勝。レベルの高い争いが繰り広げられました」(スポーツライター)
今シーズンの試合は3月末の世界選手権を残すのみ。この四大陸選手権の結果を見ると、さらに熾烈な闘いになりそうだ。
「世界選手権は今回の表彰台の3人に加え、宇野、ハビエル・フェルナンデス、そして羽生結弦と豪華な顔ぶれです。さらに高得点を叩き出すために、どの選手も演技の難易度を上げてきていますから、羽生も別格とはいえ油断はできません。とはいえ、今回の結果を見て羽生は武者震いをして喜んでいるんじゃないでしょうか。以前から『強いライバルが本領を発揮しない試合で勝ってもうれしくない』と公言しています。ライバル、パトリック・チャンの復活は羽生選手の勝負魂に火をつけたに違いありません」(前出・スポーツライター)
さらに、初めて4度の4回転をすべて成功させた銀メダルのボーヤン・ジンも、GPファイナルでは羽生が「見てろよ!」と密かにつぶやいて高得点を見せつけた相手だ。
「不足なし」な相手がそろう世界選手権。この状況でこそ、羽生の最高の演技が生まれるに違いない。