昨年11月12日のCDデビューと同時にトップアイドルとなったなにわ男子。シングル「初心LOVE」の2パターンは、TikTokで配信された37日間で総再生数5億回を突破し、国内アーティスト最速を記録。昨年の「アーティスト別セールス部門新人ランキング」(オリコン調べ)では、集計期間内に12.1億円を売り上げて3位にランクインした。
総合プロデューサーは関ジャニ∞の大倉忠義。これまで、総合演出家として関ジャニや関西ジャニーズJr.(関ジュ)のコンサートを数多く成功させてきた辣腕で、公式ツイッターの肩書きを「Producer」にしているあたりに、プライドを感じさせる。
なにわのデビューは、21年7月28日の「なにわの日」に横浜アリーナで開催されたコンサートでサプライズ発表された。大倉は当然、知っていた。同年の1月、なにわが地元の大阪城ホールで開いた無観客配信コンサートの現場で、タッキーこと滝沢秀明副社長に打診していたからだ。
「なにわは、19年11月に初単独ツアーを行ない大成功。ツイッターで『落選』がトレンド入りするほど、チケットは入手困難でした。この時、大倉は滝沢副社長に『そろそろデビューどうでしょうか?』と推薦したといいます。副社長は『こういう(コロナ禍の)時代こそ、こういったグループが世の中に出ていくことはいいこと』と即決したとか」(アイドル誌ライター)
大倉は、現在4つのユニットが存在する関ジュ全体の底上げを目標に掲げる。全員の思いを背負ってデビューしたなにわを、まずは“稼げるジャニーズ”にすることが優先。それは、亡きジャニー喜多川元社長の遺志も汲んでのことだ。
4年近く前、大倉はなにわの話をするために、ジャニー氏がジュニアの公演のために連日通っていた東京・六本木のEXシアターに足を運んだ。その時に命名されたのが「なにわ男子」だったのだ。
「『グループ名なんていくらでも思いつくんだよ、僕は』と言ったジャニーさん。『なにわ男子』と聞いた瞬間、大倉さんはびっくりしたそうですが、さすがジャニーさんとすぐに受け入れたそうです」(前出・アイドル誌ライター)
大倉は、「小道具でたこ焼きは持つな」とアドバイスしている。コテコテの関西ではなく、キラキラのアイドルを目指してほしいからで、これを機に、取材で月に1度は持たされていたたこ焼きがクッキーやキャンディーに変わった。
ジャニー氏に命名され、大倉によって開花したなにわ。今年は勝負の2年目に突入。真価が問われる。
(北村ともこ)