今年はA.B.C-Zのデビュー10周年だ。お祝いムードは昨年末から高まっており、2月にリリースされた初のベストアルバム「BEST OF A.B.C-Z」は「オリコン週間合算アルバムランキング」でグループ初の1位を獲得。CD、デジタルアルバム、ストリーミングで自己最高初週売上を記録した。
メンバーである河合郁人のジャニーズものまねは需要がある。今でこそものまねと3枚目キャラで番組共演者から親しみを持たれているが、かつては孤独を好んでいた。共演者との接触をあえて避けていたのだ。それを変えてくれたのがKis-My-Ft2(キスマイ)の北山宏光だ。
「2人は、とある都内のバーの常連。ある夜、北山が仕事帰りに1杯飲んで帰ろうと思って立ち寄ると、河合が1人でカウンターにいた。一緒に飲んだ時、『河合ちゃん、一匹狼にならないで、みんなにいじられるほうが絶対にいいよ』とアドバイスしたそうです」(芸能関係者)
北山は、似たニュアンスのことを再三にわたって言っていた。しかし、当時の河合は卑屈に考えてしまうタイプ。後輩たちがどんどん追い抜いて行くことに劣等感さえ抱いていたため、人の言うことに耳を貸さなかった。それでも懲りずに忠告しつづけてくれた北山にはのちに感謝し、「もっと早く実行すればよかった」と猛省したという。
北山は河合と違って元来ひとたらし。キスマイとエビはジャニーズJr.時代、「エビキス」の通称でファンから愛され、ステージをともにすることが多かった。親睦が深まるのは当然で、塚田僚一、五関晃一とはサシで飲み、戸塚祥太とは海外旅行をする仲。橋本良亮が成人式を迎えた時は、一緒に過ごしている。そんななか、河合は心を閉ざしていた。
「初の冠番組『ABChanZoo』(テレビ東京系)のロケ収録でも、自分たちの冠番組なのに、本番直前までロケ車にこもって出てこない。イヤホンで音楽を聴いて、誰ともなじまない。ゲストで来てくれたドランクドラゴンの鈴木拓に、迷惑をかけたこともあったとか」(芸能ライター)
殻を破れたのは、戦友とも言える北山のおかげ。河合は、北山に足を向けて寝られないかもしれない。
(北村ともこ)