ついに“YouTubeバブル”も終焉に近づきつつあるのか?
全盛期に比べ、苦しい台所事情となったことを嘆いたのは2人の人気ユーチューバーである。
まずはチャンネル登録者208万人を誇る「ぷろたん日記」を運営するぷろたんだ。6月21日、視聴者からの質問に応じる動画を公開し、「ユーチューバー、最近収益単価下がったらしいけど、どう?」との問いには「めちゃめちゃ下がりました。今、ユーチューバー全体やばいと思いますよ。数字落ちてる人も結構いるんじゃないですか。俺もその1人なんだけど」と返した。
現在はユーチューバーとしての活動以外に、筋肉キャラを生かしたオリジナルプロテインや、グルテンフリーのチーズケーキなどのプロデュースを展開しているぷろたん。「ほかの事業があって、なんとか合格点を出してるけど、そうじゃないユーチューバー1本の人とか、グループ(のユーチューバー)とか、勝手な偏見だし、内部事情を知らないけど、苦しいんじゃないかなっていう時代に来てると思う。ユーチューバーを8年くらいやってますけど、いちばん瀬戸際なような気がする」と、ユーチューバーとしてのキャリアの中で最大のピンチだと考えているようだ。
続けて、「ユーチューバーって苦しいですよ。人によって、上がった生活(レベル)を下げなきゃいけないから。上下が凄い。先月500万円だったとしても、今月30万円とかザラにあるんで、めちゃくちゃ苦しいと思う、今」とも語った。
また、家賃に関する質問にも「1LDKで47平米くらいで30万円くらい」と具体的に説明。「将来どうなるかわからないから、今、稼いでるけど、その分遊んでいいとか、家賃にかけていいとか思えない」とし、贅沢な暮らしは控えることを心がけているという。
一方、自らを「オワコンユーチューバー」と自虐したのは、こちらも著名ユーチューバー・シバターだ。
メインチャンネルには123万人もの登録者を抱えているが、6月8日に更新した動画にて「最近は10万再生をとるのがやっと」だと嘆くと、「ずっと右肩下がり」だというYouTubeからの収益についても言及。同プラットフォームの規約により、ハッキリと金額を明かすことができないため、円を「バナナ」で表現するとし、5月分のメインチャンネル収益を「104万バナナ」と説明した。
全盛期には「1000万バナナ」に達していたというシバター。現在は、パチンコチャンネル分の「34万バナナ」や、企業案件など、全ての収益を加えた金額から、家賃や経費を引くと、手元に残るのは「280万バナナ」だという。
これについて「普通の会社員勤めのサラリーマンに比べたら、もらっているほうだと思うが、いつまでこの商売を続けられるかわからない。そういう仕事において200万というのは、僕はちょっと不安に感じる」と懸念し、収益が下がり続ける現状を「非常に怖い」と漏らした。
「数年前であれば1本の動画が50~100万回の再生回数を取るのが容易だったはずのシバターでさえ、最近はひとケタ万回にとどまるケースも多く、全体的に下降傾向にあります。シバターによると、その背景には“ユーチューバー増えすぎ問題”があるとのことで、著名人によるYouTubeアカウント開設のハードルが下がり、ここ数年で一気にライバルが急増してしまったことが大きいと考えているようです。ぷろたん同様、シバターもまた、“焼肉シバター”なる和牛の販売も手がけており、今後は、YouTube以外からもたらされる、横展開のビジネスによる収益が鍵になるのかもしれませんね」(映像関係者)
芸能人やアスリートなど、様々なジャンルのインフルエンサーが次々にYouTubeへ参入した今、視聴者にとっては選択肢が増えるというメリットがある。しかし、もともとのユーチューバーには、氷河期の到来と呼ぶべき苦難の時なのかもしれない。
(木村慎吾)