コロナ禍で多くの企業が不況にあえぐ中、賃金のアップはどのようにして実現されるのか。元衆院議員でタレントの杉村太蔵が、素朴な疑問を口にした。
7月10日に投開票を控える第26回参議院選挙が6月22日に公示され、各政党の公約が出そろう中、やはり国民の関心は日々の生活に直結する経済政策に向けられている。
主に食料品やエネルギー関連の価格が高騰しており、それに伴う賃金アップを実現すべく、様々な対策が練られているが、これを杉村は疑問視した。22日、報道番組「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)の中で、「賃金を上げるっていう政治家の公約ほど、どうやってやるのって聞きたい」と切り出し、「皆さん、働いてお給料をもらっている。そこの会社の経営陣とあなたとで、納得しているかはさておき、“これくらい払うので働いて下さい”。“それくらいもらえるなら働きましょう”と(双方に合意がある)。これが自由主義で、岸田(文雄総理)さんがなんぼ言ったって、そこに介入しようがない」と、雇う側の判断に委ねるしかないのが現状だと指摘した。
続けて、「だから、賃金をどうしようかって議論よりも、可処分所得。どうやって可処分所得を広げていくか(が重要)。なのでね、賃金を上げるっていう公約ってね、本当にどうやってっていうのが僕の疑問なんですよ。可処分所得っていうところを議論した方がいいんじゃないのかなってのが僕の考えですね」と主張した。
「コロナ禍では各企業に賃金アップを施せるだけの余裕があるかも微妙なところで、ネット上でも『本当にその通りだと思う。企業は国営でもあるまいし中小企業も全てが黒字ではない』と共感する人や、『最低賃金が上がった代わりに、人の削減が起こるだけ』『賃金を上げたら、人件費が会社の経営を圧迫する現実を知らないか、無視している』『多少給料が上がったくらいでは消費量が増えて景気がよくなるとも思えない』など、そもそも賃金アップによる経済効果を疑う人も少なくありませんでした。やはり、企業の協力を求めるよりも、それぞれの可処分所得が上がるような減税などに注力したほうがより効果が出やすく、ハードルも低いと言えるのかもしれません」(テレビ誌ライター)
自民党は公約として、「人への投資を促進し、25年ぶりの本格的な賃金増時代を作る」と意気込んでいるが、果たしてその実現性はどれだけのものなのか。来たる選挙に向け、引き続き各政党の動向に注目したいところだ。
(木村慎吾)