今年がデビュー25周年のKinKi Kids(堂本剛、堂本光一)は、デビューシングル「硝子の少年」がリリースされた7月21日、デュオ史上最長のメディア出演を果たした。
公式YouTubeチャンネルの開設を祝って、20日の午後11時50分より生配信して日付が変わっても続行。21日夜は、「VS魂グラデーション」(フジテレビ系)、吉田拓郎の最後のテレビ出演となった「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」(フジテレビ系)がぶっ通しで放映。終了後は、およそ28年間も続くラジオ「KinKi Kids どんなもんヤ!」(文化放送)の特別版「Youたちデビューして25年もたっちゃったの!?~KinKi Kids どんなもんヤ!3時間生放送スペシャル~」が生放送。午後のPR番組出演も含めると、KinKi尽くしの一日だった。
「LOVE LOVE~」のラストでは、吉田が作詞と編曲、剛がAメロで光一がサビを作曲した合作「Sayonara あいしてる」が初披露された。音楽活動を終了する吉田を送り出すにふさわしい感動ソングだが、CD化の予定はない。吉田は6月29日にラストアルバム「ah‐面白かった」をリリースし、アルバムタイトルの題字は光一、収録曲「ひとりgo to」は剛が編曲・ギター演奏で参加しているが、「Sayonara あいしてる」は未収録だ。
KinKiは時に、音源化しないこだわりを重んじる。「LOVE LOVE~」からは98年に、「ビートルーズ」という名義による楽曲「The Night Before Your Birthday」が誕生している。剛が作詞、光一が作曲。CD化されるとヒット間違いなしだが、番組限定を尊重して、いまだレアソングのままだ。
「吉田さんが2人にギターを教えるコーナー『TAK*KINのカムカムGUITAR KIDS』から生まれ、レギュラーメンバーの篠原ともえさんがベースを担当、プロデューサーでキーボードは松任谷正隆さんで、のちに光一さんはドラムを担当しました。『ビートがルーズだから』という自虐的な理由で、ビートルーズのグループ名になりました」(テレビ誌ライター)
のちに、「LOVE LOVE ALL STARS」に改称。後身番組となった「新堂本兄弟」(フジ系)では「堂本ブラザーズバンド」と進化を遂げて、さらに多くのプロミュージシャンが加わった。
KinKiの合作でメジャーなのは、01年にリリースした13作目のシングル「Hey!みんな元気かい?」のカップリング「愛のかたまり」。作詞が剛、作曲が光一のラブソングで、コアファンのみならず、音楽番組で歌唱されることも多い。
そんな2人が、表舞台からは“Sayonara”するが“あいしてる”気持ちは変わらない吉田に送ったラブソング。音源化されないことで、いっそう価値が高まりそうだ。
(北村ともこ)