タレントのマツコ・デラックスが11月15日、「マツコの知らない世界」(TBS系)に出演。今の音楽をあまり聴かないこととその理由を明かした。
この日の放送では「80’s Japanese POPSの世界」と題して、80年代ポップスの魅力を紹介。ゲストの韓国出身のDJ・Night Tempoによると日本の80年代ポップスの魅力は「懐かしさと寂しさ」であると分析。マツコも同意しつつ「圧倒的に日本の歌って寂しい。よく言うと寂しい、悲しいだけど、悪く言うとしみったれてる、湿気を感じる。カラッとしてないのよ」と持論を語った。
さらにNight Tempoが「昔の日本の音楽ってイントロも価値じゃないですか」と言うと、マツコは「今の音楽をあんまり聴かない理由のひとつは、イントロも間奏もないじゃん」と物足りなさを感じていることを告白。さらに「ラップが入ったりとかメロディが変わったりとか変化はつけてるけど、ギターソロとか入ってないと大して変わらないじゃん、1曲通しての物語としては。なんか物足りないんだよね」と語っていた。
ネットでも《マツコさんと同意見》《マツコと一晩音楽についてお酒でも飲みながら語りたいわ》《なんでもかんでも短いのが流行りだよね。ショートショート。食いつけばいい的な。そのうち逆に長いの流行らないかなあ》など同意する声が続出した。
「近年はサブスクリプションの音楽聴き放題サービスやTikTokなどの動画SNSの台頭により、音楽制作の現場も変化しています。具体的には作曲やアレンジへのオーダーとして『イントロを短く』『曲はサビ始まりで』といったものが多いのだとか。その理由は1曲をじっくり聴く人が少なくなり、最初の数秒で興味が出なければどんどんスキップされるようになったためです。これは一般財団法人インターネット協会による『インターネット白書2020』でもデータとして出ており、サブスクだと最初の5秒で24%が離脱し、さらに30秒で35%が離脱、最後まで聴く人は50%程度だとか。そのため、すぐ歌に入る、出だしはサビから始まるといった構成の曲が増えました」(芸能記者)
実際に今年のレコード大賞の優秀作品賞にノミネートされた全10曲の中では、イントロがない、いわゆる“ゼロイントロ”の曲はAdoの『新時代』、Da-iCEの『スターマイン』、Mrs. GREEN APPLEの『ダンスホール』など3曲が該当。その他にもNiziUの『CLAP CLAP』、wacciの『恋だろ』、マカロニえんぴつの『なんでもないよ、』BE:FIRSTの『Bye-Good-Bye』、SEKAI NO OWARI『Habit』の5曲はいずれもイントロが15秒以内と短く、中には数秒でボーカルに入る曲もあった。ほかにもここ数年のヒット曲を聴けば、イントロが短い、あるいは“ゼロイントロ”の曲は確実に増えているのだ。
「同じような現象は90年代のJ-POPバブルの時にも起きています。この時はカラオケブームで、カラオケで歌われるようにするために長いイントロは敬遠され、盛り上がりやすいサビから始まる構成の曲が多くあふれました」(芸能記者)
時代は繰り返す、ということか。
(柏原廉)