今年上半期の芸能界で評価を爆上げした役者と言えば、香川照之の長男こと市川團子の名前が、その筆頭として挙がるだろう。
「市川猿之助容疑者がみずらの舞台の興行中に『死んで生まれ変わろう』と一家心中を図ったことで急きょお鉢が回ってきた。わずか1日だけの稽古で宙乗りシーンを見事に演じる姿に客席は拍手喝采。『生き抜くのだ!』と情感たっぷりのセリフには涙ぐむ人も出るほどで評価はうなぎ上りとなりました」(芸能レポーター)
その後、代役舞台のチケットは連日完売の満員御礼。まさに、「不肖の叔父」の穴を埋める以上の活躍となったと芸能デスクも高評価を与える。
「もちろん、歌舞伎の場合には、普段から稽古を重ね、いつでも穴を埋められる体制を敷いています。とはいえ、わずか19歳で主役の重責を跳ね返す度胸の良さには親譲りの天賦の才能を感じずにはいられません。普段から地道な練習を積み重ねている役者はこうしたピンチで才能を一気に開花させることがよくある。かつて、NHK大河『麒麟がくる』で沢尻エリカの代役に急きょ抜擢された川口春奈は見事に大河女優の看板を支えたことで、低視聴率女優の汚名を返上しました。天海祐希の舞台『おのれナポレオン』の穴をわずか2日の稽古で埋めた宮沢りえも本格女優として一皮剥けたと評価を受けました」
急場のピンチをしのぎ切ることができれば評価はアゲアゲなのである。
「その意味で、今年下半期に大注目しているのが若村麻由美です」と、前出の芸能レポーターが推すのが、7月20日にスタートした「この素晴らしき世界」(フジテレビ系)での彼女の代役ぶりだという。同ドラマの撮影初日に体調不良で降板した鈴木京香に代わり主役に抜擢されたが、それが実にハマっているのだという。
初回を見た視聴者からはネット上で、「この夏ドラで1番だと思いました」「たまたまチャンネル合わせたら面白そうで最後まで見てしまいました」とストーリー展開を称賛する声のほか、普段はパートとして働く主婦ながら、ひょんなことから大女優「若菜絹代」になりすますことになる主人公・浜岡妙子に扮する若村を「美貌と演技力を兼ね備えた素晴らしい女優さん!」「代役とは思えないほどこの役にピッタリ」など絶賛する声が上がっている。
「若村にとって連ドラは時代劇の『夜桜お染』(フジ系)以来20年ぶり。とはいえ、2時間ドラマなどで女優としての実績は十分です。かつては宗教法人の教祖の夫(故人)と結婚したことなどで、そのことを聞かれたりするのを避けたのか、番宣に非協力でしたが、いまさらその問題を根掘り葉掘りされることもない。若かりし頃は大胆なベッドシーンにも挑戦したことがあり、演技の幅の広さは折り紙つきです。久々に大役を務める『この素晴らしき世界』で実力派女優として大きく再評価される可能性は高いですよ」(前出・芸能レポーター)
56歳の代役熟美女が23年下半期芸能界の台風の目になりそうな予感だ。