2023年10月1日よりインボイス制度が開始されました。これによって、「自分が不利な状況にならないか……」と不安に思っているフリーランスは多いかもしれません。でも、一方ではそんなフリーランスを守る法律もあるんです。
それが、通称“フリーランス新法”と呼ばれる「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」です。2023年2月に閣議決定され、4月28日の参議院本会議で可決されました。 遅くても2024年秋頃までの施行が予定されています。
フリーランス新法では、業務委託をされる側で従業員を雇わない事業者を指す「特定受託事業者」とフリーランスを定義していますが、不当に扱われないためにどのような規定が設けられているのでしょうか。内閣府「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」 から確認してみましょう。
■契約条件を書面で提供する
事業者がフリーランスに業務委託をする際、契約の条件を書面またはメールで明示することが義務付けられました。フリーランスへの発注では“口約束”も多くて不利益を被ることあっただけに、これは助かりますよね。
■60日以内に報酬を支払う
フリーランスから成果物を受け取って検品を終えた後、事業者は60日以内に報酬を支払う義務があります。「支払いは半年後に」なんてことがなくなるのはうれしいですね。
■フリーランスの利益を損なう不当な扱いを禁止する
フリーランス新法では、業務委託を行う事業者はフリーランスの利益を損なうような不当な扱いを禁止する旨が盛り込まれました。例えば、理由のない成果物の受領拒否や返品、理由のない報酬の減額、相場に比べて著しく低い報酬の不当な決定などが挙げられます。
これらは概要ではありますが、フリーランスにとってはうれしいですね。施行まで、注意深く動向をチェックしておきましょう。
