高校3年生で妊娠し、貧困に苦しむシングルマザーをめぐり、モデル・益若つばさがサポート体制を強化すべきとの持論を展開している。
12月2日放送の「ABEMA Prime」では、高校在学中に妊娠し、体育の単位不足を理由に卒業ができず、自主退学を選んだという女性の苦悩が紹介された。
パートナーとはすぐにDVが原因で離婚し、シングルマザーとして子どもを育てる決意を固めたが、高校中退という学歴がネックとなり、仕事探しでは困難を極めたという。また、ようやく見つけた時給制の販売員の仕事は月給わずか8万円という金額で、子どもの体調不良による看病で仕事を休んでしまうと、月の給料が3万円になることもあると嘆いた。
番組MCの益若は、自身もシングルマザーとして高校生の長男を育て上げた立場から、このケースに言及した。世間からは、高校生の妊娠による貧困に対し「自己責任」だとする声が上がっているが、益若は「本人はそんなこと(自己責任)はわかっていて、それでも産むという選択をしている。『(産んで)大丈夫?』と聞くのではなくて、『大丈夫。安心して。育てられるよ』とサポートできる環境がいまだにできあがっていないことが怖いと思った」と語った。
番組では、元高校教師のゲストも登場し、学校には「高校生が不純異性交遊をしてるわけがないし、してはいけない。ましてや妊娠するわけがない」という昔ながらの価値観が今も蔓延しているとしたうえで、「だから、自主退学せざるを得ない状況に追い込まれていくんだと思う」と主張している。
これに益若は、学校側に“臭い物にフタをするような”風潮があるとして「性教育をフワッと済ませているように感じる」と指摘。「高校生のうちは出産後の生活で必要なお金や、仕事に制限が生じる可能性などの経済状態が具体的に想像できないだろうし、そもそもそれを考えさせない教育がなされていると思う」とし、学生のうちに妊娠することでその後に生じる苦労やリスクなどを早くから教えていくべきだと述べている。
「高校生での出産がその後の人生にどのような影響を与えるかを事前に伝えるべきという部分に異論はないものの、このケースにいったいどんなサポートを敷いていくべきなのかという問題は議論の余地があります。出産に離婚、そして、高校中退という学歴も全ては本人が下した決断であり、それによって生じる苦労もまた、自分自身で乗り越えていく必要があるでしょう。仮に今回のようなケースに金銭的援助があったにせよ、残りの長い人生においては必ず自力で生活をしていく必要性が出てくるため、まずは安定した生活を実現できる仕事探しを全力で続けることが何よりも重要です。ネットにも、益若の見解を『甘すぎる』と一蹴する声が多く『高校生が妊娠出産して安心して育てられる環境って永遠にできないと思う。まずは女性の親がサポートすべき』『フルタイムで働けば今の時代なら手取り15万円ぐらいにはなるはず。子どもが小さいからとか甘えた事言ってないで働かなきゃ。母子家庭は保育園優遇されるし、朝から夕方まで働けるでしょう』『まともに働いてる社会人でも出産を躊躇してるのに、なんで高校生の出産に“大丈夫、安心して”って言えるの?』などの声がありました」(テレビ誌ライター)
少子化が止まらない日本ではあるが、だからといって、子どもを安心して育てられる見通しがない状態での妊娠・出産も大歓迎でいいのか?そんな感想を抱いた視聴者も多かったようだ。
(木村慎吾)