嵐・櫻井翔といえば、ジャニーズ屈指のお坊ちゃまにしてインテリ。父は東大卒の元官僚で、母は実家が新聞社を営む資産家一族。妹は成城大学卒、櫻井自身と弟は慶應ボーイだ。
そもそも芸能界には興味がなく、ひょんなことから、中学生でジャニーズJr.になってしまったため、20歳で卒業しようと考えていた。
「バックダンサーのポジションが前のほうになっていき、テレビ出演も増えていった17歳のとき、同じく退所を考えていたJr.と『明日、社長に辞めると言いに行こう』と約束したそうです。その相手こそが二宮和也。彼も辞めたくてしようがなかったそうです」(テレビ番組制作会社幹部)
翌朝、ジャニー喜多川社長の自宅へ向かったが、運悪く不在。家政婦に通されたリビングで、驚きのメモを見たという。それはさまざまなグループ名の候補が書きなぐられた紙。“?”と書いて“クエスチョンズ”と読むものもあったが、その上に×マークがあり、最下段にあったのが“嵐”だった。
結局その日は、退所の意思を伝えることができないまま帰宅。その後も打ち明ける機会を逃し、99年11月、ハワイに発った。
その日の夜、Jr.の5人はジャニーさんに焼肉店に連れていかれ、「YOUたち、明日から嵐だから」と衝撃の告白をされたそうだ。
「アイドルを辞めて大学進学を考えていた櫻井、ステージの裏方業に就きたかった二宮、そして同じく辞めるタイミングをうかがっていたリーダー大野智の心中は複雑。嵐は5人のうち、3人が脱退を考えたままデビューすることになったんです」(前出・テレビ番組制作会社幹部)
辞める気満々のメンバーが5人中3人もいたグループが、その後のアイドルシーンを席巻。人生はわからないものである。
(北村ともこ)