「満州アヘンスクワッド」作画の鹿子さん死去 「キングダム」アシスタントを経て体得した「楽しいほうがいいかなって…」
週刊ヤングマガジンで連載中の漫画「満州アヘンスクワッド」の作画・鹿子さんが脈絡膜悪性黒色腫のため11月8日に死去していたことが、12月22日、講談社ヤングマガジン編集部、作品の公式X(旧Twitter)で発表された。37歳だった。
武蔵野美術大学造形学部彫刻学科時代に応募した漫画「ハイタイム」が、2010年第100回MANGAグランプリ優秀賞を授賞。その後、週刊ヤングジャンプで連作中の漫画「キングダム」の作者・原泰久氏のもとで5年アシスタントを務め、21年9月から原作・門馬司氏の「満州アヘンスクワッド」の作画を担当。第二次世界大戦前の満州国興亜院「大アヘン政策」を背景に描いた本作は、今年4月時点、単行本の累計発行部数は300万部を突破している。
今から約1年前の2024年11月11日付、ヤングマガジン編集部の公式YouTubeチャンネル「ヤンマガ日常ch」では、鹿子さんの仕事部屋を取材し、男女のアシスタント数名に囲まれて仕事に励む鹿子さんの姿を紹介した。
「麻雀の話してたら台を買ってくれる。何でも買ってくれる」と鹿子さんの印象について男性アシスタントが口にすると、鹿子さんは「楽しいほうがいいかなって…」とし、「ぼくが(原泰久氏のアシスタントで)いた時もPSPで対戦できる『メタルギア』をずーっとみんなでやってました。…昼休みと夜と徹夜明けの朝と。それのために仕事してるぐらい…」
ここで、さぞや多忙であろうと、スタッフが「平日はお子さんとは遊べないですね」と問う…。そう、鹿子さんは既婚者子持ちで、実は男性である。
「いえ、保育園のお迎えとか僕行くんで。朝の送りと(夕方)5時半にお迎え行って。帰って夕飯は家で食べるんで。風呂入れて寝かしつけて、それから戻ってくるんです」
父のお迎えを待つ子どもを思うと、涙が止まらない。合掌。
(所ひで/YouTubeライター)
