ダイエットや腸内環境を整えるには、食物繊維を多めに取ること。よく言われることですが、実は「痩せ体質になれるかもしれない」という実験結果がカナダのカルガリー大学の研究班から報告されていたのでお知らせしておきます。
この研究はラットを2グループに分けて行われました。エサは同じ「高脂質・高炭水化物」の食物。ただ一方には、食物繊維のサプリメントを加えて与えるというもの。すると、食物繊維を与えられたラットのグループは、高脂質・高炭水化物のエサだけのグループよりも、体重の増加が平均で3分の1に抑えられたということです。
このラットたちの中には、太りやすい遺伝子を持つものも混ぜられていたようですが、そのラットも同様に体重の増加傾向が抑えられたということです。
また、Oligofructose(オリゴフルクトース)というバナナやタマネギ、ニンニクなど、野菜類に自然に含まれる食物繊維の一種を与えられたラットでは、腸内の環境が痩せたラットと同じように変化したということも記述されています。
オリゴフルクトースというのは、別名「フラクトオリゴ糖」とも言われ、腸内細菌のエサになる成分が含まれています。それによって、腸内の善玉菌が増えて食物の吸収率に関与し、痩せやすい体質になると考えられるそうです。
あくまでもラットでの実験ですが、この結果からわかるのは、「やっぱり普段の食生活で意識して野菜類を取るようにすれば太りにくい体質になれる」ということ。生野菜はもちろん、温野菜や、取れないようであればサプリメントなどで補給してもいいかもしれません。また、ダイエット後のリバウンドの防止としても、食物繊維は役立ちそうです。できるだけ自然な食品から摂取するようにして、太りにくく痩せやすい体質にしていきましょう。
(医療/フィットネスライター・松尾直俊)