漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」で優勝すると、放送直後から仕事のオファーが殺到し、翌年はほぼ休日なしで働きまくるというのが通例だ。ところが、ほかのメジャーコンテストでは、そうもいかない。お笑い事情に詳しいフリーエディターによると「バイト生活も珍しくない」という。どういうことか。
「たとえば『R-1ぐらんぷり2014』で満票優勝を果たしたやまもとまさみは今、アプリ系企業に就職しました。アプリ開発・提案をして、バナー広告の売れ高を収益にする形で雇用されているそうです。ちなみにR-1で優勝した時、40歳の彼は電気製品の実演販売、大工、美白美容液の販売のバイトを3つ掛け持ちして月収40~50万円を稼ぎ、家族3人を養っていました」
なんでも役職は、リーダー。R-1王者の実績が称えられたものである。
さらに、「キングオブコント2013」王者のかもめんたるも、芸人としては下降気味。ピーク時には月15本もテレビに出たが、翌14年には落ち込んでいた。
「才能がある岩崎う大は2児のパパで、中古ながらも一軒家を建てたのでどうしてもお金が必要なのだとか。今は出版関係で月5~7万円、ライター業で5万円、所属しているサンミュージックの講師で月2万円ほどを稼いでいます。芸人月収は4万円程度。相方の槙尾ユウスケは、事務所の先輩であるヒロシが経営するカラオケパブでランチタイムにバイト。月に2~3万円ほどにしかなりませんが、小さい子どもを抱えているので、文句なんて言ってられないとか」(前出・フリーエディター)
コンテストの優勝を目標に、今は耐え忍んでいる芸人たちにとっては、耳の痛い話かもしれない。
(北村ともこ)