日を追うごとに美しさに磨きがかかっていると評判の女優・松岡茉優が、体調不良で出演中の舞台を休演する騒ぎがあった。東京・新橋演舞場で上演中の舞台「江戸は燃えているか」に出演している松岡は3月19日、昼公演には出演したものの、体調不良のためカーテンコールは欠席。そのまま病院に向かい、点滴治療を受けたという。
そして迎えた夜公演。本舞台の作・演出を手掛ける脚本家の三谷幸喜氏は「人が見当たらないので」との理由で松岡に代役を立てず、自らが出演。黒子衣装に髪飾りだけを付け、台本を手に松岡の代わりを務めたというのだ。その緊急事態に観客の反応はどうだったのか。
「松岡の休演には残念との声もあるものの、三谷氏の緊急登板は拍手をもって歓迎されたようです。セリフがうろ覚えなのか、それともわざとなのか、三谷氏はアドリブを連発。会場には爆笑が巻き起こっていました。幕が開く前に三谷氏は『帰っていただいても構いません』とまで言っていましたが、観客のほうは『貴重なものを見た』『一生の思い出になった』と大好評だったようです」(演劇関係者)
自身が役者を務めることもある三谷氏ならではのファインプレーというところか。ただ三谷氏による苦渋の決断は、むしろ松岡の存在感を示すことにもなったという。
「今回は松岡のほかに女性の演者も何人か出演しており、通常なら彼女たちの誰かが松岡の代演をするもの。ただ本作での松岡はセリフの量がトップ2の中村獅童と松岡昌宏に次いで多いうえに、人気女優としての存在感もダントツ。それゆえ他の女性陣に代役をさせるよりも、知名度の高い三谷氏が特別出演したほうが質の高い舞台になるとの判断だったのでしょう」(前出・演劇関係者)
女優としては「円熟の芸域に達している」と評され、最近はテレビCM等でその美貌も広く知れ渡っている松岡。そんな彼女の代役は、劇団歴35年という大ベテランの三谷氏にしか務まらなかったようだ。
(白根麻子)