フィギュアスケートGPファイナルで初めて表彰台を逃した浅田真央(25)。自己最低の最下位(6位)に終わり、エキシビション出場も取りやめた。いったい何があったのか。
15─16シーズン前半を締めくくる、スペインで開かれたGPファイナル(12月11日~13日)。女子はロシアの新鋭メドベージェワ(16)が高得点で優勝し、初出場の宮原知子(17)も2位に食い込んだ。スポーツ紙記者が振り返る。
「世代交代を感じる大会でした。ただ、最年長の浅田が完全に打ちのめされたというわけではない。1年のブランク明けを考えれば、ここまでは合格点でしょう。本人も想像以上に初戦(ジャパンオープン優勝)と2戦目(中国杯優勝)で結果が出て、3戦目のNHK杯で3位に負けた時も『このままトントン拍子でいくのかな、ちょっと待ってよ』と冷静に分析していました。持久力アップを図り、フリーの演技構成と体力の調整をすればいいでしょう」
確かに自慢のトリプルアクセルは佐藤信夫コーチから「完成の域」と合格点を与えられており、課題のルッツもGPファイナルのフリーで成功させた。現地入りしていたスポーツライターの折山淑美氏が話す。
「まだ好不調の波はありますが、1年余り試合から遠ざかり、実戦勘が戻らないだけ。最初の2戦は楽しみという気持ちで結果が出て、ここにきて勝ちたい、結果を残したいという思いがプレッシャーになっているだけでしょう」
実は、浅田は胃腸炎を理由にエキシビションを欠場し、緊急帰国している。スケート連盟関係者が明かす。
「空港ではニコニコしていて元気そうでしたよ。あれは仮病のようなもので、理由は他にありました。特別ゲストとして安藤美姫(28)がエキシビションにサプライズ出演することを知って憤慨したからです。通例は大会のベスト6入賞者が出場するもの。出場もしていない安藤が出ることに不快感を示すのも無理はありません。かつて試合会場の控え室で、浅田の姉・舞(27)のロッカーの荷物が廊下に投げ捨てられていた事件がありました。その“犯人”が安藤だったことを浅田が知り、それ以降、2人は犬猿の仲ですしね」
とはいえ、先を見据えて再スタートの意欲は満々。連盟関係者が続ける。
「今年4月、尊敬する伊藤みどりとの対談で『自分が目指すものをとことんやっていくことが自分のやりたいこと』とフィギュアへの思いを語り、復帰を決めた。その時に『残してきたものがある』とも告白しています。忘れ物はもちろん、五輪の金メダルですよ」
浅田は帰国後、「失敗したくない気持ちが強すぎて空回りしていると感じる。気持ちの部分以外は特に問題ない」と、落ち込む様子はない。18年の平昌五輪までの青写真をきっちりと描いているからなのだ。