ランニングブームが続いており、日々走るのが日課という人もいるのでは? ところでそのランニング、走り始めて1時間ほどすると、「ランナーズハイ」という状態が訪れるとよくいわれています。これは、高揚感・恍惚感にも似たもので、「この先いつまでも走り続けられそうな感覚」のことのようです。
松村道一さん、小田伸午さん、石原昭彦さん編集の「脳百話:動きの仕組みを解き明かす」(市村出版刊)によると、ランナーズハイの心地よさをもたらすものの正体は、「エンドルフィン」なんだとか。いってみれば脳内麻薬です。ランニング中の苦しみを和らげる、鎮痛効果の役割を果たすといわれているそうですよ。
しかし、元陸上競技選手の金哲彦さんの著書「金哲彦のマラソンレース必勝法42 10日前から読めば速くなる!」(実業之日本社刊)によると、実際のところ、このランナーズハイはちょっとしたまやかしのようなもので、10分程度、およそ2~3kmの出来事なんだとか。そして、ランナーズハイはすぐに途切れてしまうので、このときに調子に乗ってスピードを上げてしまうと、正気に返ったときにドッと身体的に大きなダメージを感じてしまうといわれているそうです。
ランナーズハイになっても、いかに冷静さを保つかが、長い距離を走るマラソンにとっては重要といえそうですね。ハイになって体が軽くなってもまだ我慢する、これがポイントだそうですよ。