「LINE NEWS」が初めて手掛けるオリジナル連続ドラマ「ミライさん」(9月8日スタート)の主演に、のんが抜てきされた。スマホでの視聴を前提とした1話10分のネットドラマとなっており、8月22日の発表会見では「今まで演じさせていただいた役のなかで一番クズだなあと思う役だった」と語るなど、いつもの“のん”流を垣間見せた。
そんなのんのドラマ主演を受けて、地上波ドラマに登場する機運が高まったと伝えるメディアは少なくない。前事務所から独立した際のゴタゴタでテレビから“干された”形となっていたが、2016年6月の契約満了から早2年が経ち、テレビ復帰が近づいたというのだ。しかしそのような地上波テレビ前提の見方はもはや、時代遅れとの指摘もあるという。
「世間には今回のネットドラマ主演を、地上波ドラマ出演へのステップと捉える向きも少なくありません。しかし実際には、彼女自身が積極的にネットドラマを選んでいるのではないでしょうか。今回の『ミライさん』のみならず、アマゾンプライムで3月に始まったドラマバラエティ『さまぁ~ずハウス』でも、のんは番組スタート時の数話に出演。リハーサルや時間制限なしの一発撮りという実験的な内容に果敢にチャレンジしていました。彼女は『創作あーちすと』の肩書でも活動していますし、なにより自分が出たい、演じたいと思えるドラマを優先していると思えてならないのです」(芸能ライター)
地上波よりネットドラマを優先とはにわかには信じがたい話だが、「ミライさん」の制作発表ではそれを裏付けるようなエピソードが明かされたというのだ。芸能ライターが続ける。
「本作のプロデューサーによると、のんが演じるのはもともといい子の役だったが、本人が『クズがいい』ということで脚本を書き直し、すると今度は『クズすぎる』となったので、再度書き直してちょうどいいバランスにしたのだとか。その上で今回の役は『当て書き』(演者に合わせて脚本を書くこと)だと明かしており、本作でのんが果たす役割の大きさを感じさせました。そのように彼女自身の意向が大きく反映された本作に対し、地上波ドラマでは主演女優といえどもそこまで自己主張するのは難しいのが現実。原作ありきの作品では当て書きは不可能ですし、オリジナル脚本の作品でも主演女優のリクエストで役の性格まで変えてしまうことはまずありえません。つまり『女優のん』の本領を発揮できる舞台は地上波ではなく、ネットドラマこそ彼女が活躍する場だと言えるのではないでしょうか」
ネットドラマという新しいメディアで輝きを放ち続けるのん。今や彼女にとって地上波ドラマは「出たい作品があったら出てもいいけど」といった選択肢の一つに過ぎないのかもしれない。
(金田麻有)