台風21号による高波で滑走路が水没した関西国際空港。対岸に渡る唯一の道である空港橋にタンカーが衝突し、通行止めとなったことで、5000人もの人々が文字通りの孤島に閉じ込められた。9月5日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)では関空内で取材を続ける関西テレビのカメラマンと電話を繋ぎ、現場の様子をレポート。その様子についてテレビ誌のライターが語る。
「各テレビ局が空港島に取材陣を送り込めないなか、『とくダネ!』では偶然にもテレビ局のスタッフが空港内にいたことから、現地からの生情報が期待されました。しかし電話に出たカメラマンは現地レポートの経験がなかったようで、MCの小倉智昭が『昨日、関空に取材で入られたんですか?』と訊ねるも、前々日から入っていてその日はホテルに泊まっていた、翌日はホテルが取れなくて関西テレビの記者ボックスで過ごしたなどと、ややピント外れの回答。それに対して小倉が『前々日からということは台風の取材のため?』と確認するも、『一応ケアはしていた』という言葉足らずの答えで返していたのです」
その後も小倉が「昨日はどうやって過ごされたんですか?」と夜明かしの状況について尋ね、「(空港側が)お客さんに水を配っていた。昨晩、神戸空港にフェリーで出るということが決まった」と、これまたピントのズレた回答。全体的に残念な現地レポートとなっていたが、テレビ局員とはいえ技術職のカメラマンに取材力を期待するのは酷というものだろう。
そんな現地レポートを見聞きした視聴者からは、こんな感想が聞こえてきたというのだ。テレビ誌のライターが続ける。
「視聴者が驚いたのは、MCの小倉が終始落ち着いた様子で質問を重ね、的外れの回答にも声を荒らげたりせず、最後には『分かりました、ご苦労様でした、有難うございました』と丁寧に会話を終えていた点でした。小倉と言えば暴言や迷言がメディアに取り上げられがちですし、視聴者からは『小倉ってこんなに優しかったっけ?』との声も出ていたようです。ただ小倉は身内に対する当たりは強いものの、取材に応じる一般人など外部の人に対しては普段から礼儀正しく接しています。今回の相手はテレビ局員でしたが、関空内に閉じ込められている状況でしたし、いわば被災中の人として丁寧に接したのかもしれません」
小倉は東京12チャンネル(現・テレビ東京)の出身。それゆえ急に現場レポートに駆り出されたカメラマンの焦りが理解できたのかもしれない。
(白根麻子)