タレントの坂上忍が4月16日放送の「超特大さんま御殿!坂上忍&ヒロミも大モメ!?豪華芸能人が春満開SP」(日本テレビ系)にゲストで出演。MCの明石家さんまから「下手くそ司会」と揶揄される一幕があった。
坂上が司会を務める報道バラエティ「バイキング」(フジテレビ系)にレギュラー出演しているヒロミもスタジオに登場し、普段見慣れた坂上の進行方法に関して「質問の仕方が独特」と切り出すと、その理由としては、先に司会者である坂上自身の考えや意見を述べてからコメンテーターに振るスタイルにあると説明。振られた側は急遽異なる見解や感想を述べる必要に駆られ、ヒロミも「(こっちが言いたいことを)全部言ってるよ、お前」と坂上のやり方にはタジタジな様子だ。
そこに、自らも番組のメインMCを任されることが多いさんまが「下手くそ司会、下手くそ司会やなそれは」とイチャモンを入れると、すかさず坂上も「ちょっと待って。ちょっと待ってください!そういうことじゃない」と反論するも、さんまは「俺は残してパスする」と話し、振った相手にトークの選択肢を用意することを心がけていると主張した。
一方の坂上は「やっぱり(意見を)聞く以上、自分も言って傷付かないといけないと思ってるんです。聞いて済ませるのは失礼だから。僕は右か左かだったら、これに関しては右です。で、どうですか?(と相手に振る)」と主張し、相手だけに意見を言わせるのではなく、自らも主張を展開することがフェアだと説明している。
「司会者としてのメソッドや、やり方に関して正解・不正解を議論するのは困難ですが、さんまと坂上では抱えている番組の特徴や性質が全く異なります。基本的に色恋ネタや私生活における“面白話”をさばくことが多いさんまに対し、坂上とヒロミが共演する『バイキング』では下手なことを言えば一気に炎上してタレント生命にも影響を及ぼす事態になり得ます。また、政治についての話題などは世論の声も真っ二つに分かれることがあり、右と主張しても左と主張しても他方からは叩かれるリスクがありますから、司会者として高みから見物することなく自らの意見を積極的に述べていく坂上のやり方は一定の評価を受けて然るべきかもしれません。少なくとも“笑いで落とせば万事OK”というさんまとはあまりにも事情が違いますね」(テレビ誌ライター)
ただし、ネット上では坂上への援護射撃は少なく、その理由はやはり“同調圧力”とも解釈されかねない「バイキング」での空気感にあるのだろう。
「自らもリスクを背負う必要があると考える坂上のポリシーは立派ですが、コメンテーターからすれば、番組の顔である坂上に“右”だと主張されてしまうと自ずと“左”であるとは言いづらくなってしまうのも無理はありません。実際、過去にはお笑いタレントの小籔千豊やサンドウィッチマンの伊達みきおらが坂上の主張とは真逆の意見を展開したことでスタジオの空気が一変し、坂上も不機嫌な表情を浮かべていました。『坂上忍の司会が下手かどうか分からんが、不愉快にさせることは確か』『意見を求めてるけど高圧的な感じ』『自分の思い通りの意見を言ってくれないとふてくされるよね。裸の王様状態』といった世論の声もあり、坂上は扱うニュースへの不適切なコメントで炎上することはほとんどありませんが、他の共演者への接し方で非難を集めることが多いという珍しいタイプですね」(前出・テレビ誌ライター)
MCが10人居れば、その特徴も10色。坂上独自のスタイルを貫いていくことが望ましいが、視聴者に不快感を与えるようなやり方は慎むべきなのかもしれない。
(木村慎吾)