およそ1億3800万円にも上る申告漏れと所得隠しが発覚し、芸能活動を自粛しているお笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実の代役として、同じ吉本興業に所属する先輩の今田耕司が一部番組で抜擢されたことが分かった。
「サンスポ」は11月2日配信のニュース記事において、徳井が不参加となった日本テレビのバラエティー番組「今夜くらべてみました」収録現場にピンチヒッターとして今田が登場したことを伝え、プライベートでも親交のある徳井の不在を埋めたという。
「記事によれば、“あくまでピンチヒッターで、今後については未定”とされており、継続的に今田が今後も同番組に出演し続けるのかは分かりませんが、吉本興業における“困った時の今田頼り”の精神は不滅です。というのも、今回の徳井の代役に限らず、2011年に反社会的勢力との親交があったことで芸能界を引退した島田紳助氏のTBS『オールスター感謝祭』や日本テレビ『人生が変わる1分間の深イイ話』、テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』などの大きな番組でも司会を引き継いだ経験があります。それらの番組はいずれも“紳助イズム”が染み込んだものでしたが、今田は大きく空気感を変えることなく、自然な形でスムーズな代役を果たしています」(テレビ誌ライター)
そうした今田の器用な立ち回りは、やはり彼が辿ってきたキャリアにその起源があると言えるだろう。
「現在のタレント・今田耕司を形成する上で大部分を占めているのは若手時代に出演したフジテレビのコント番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』での体験でしょう。吉本の重鎮であるダウンタウンが最も“尖っていた”全盛時代に彼らと共演した今田は、個性がズバ抜けていたダウンタウンの邪魔をしないようにしつつ、それでいて番組が円滑に進むよう配慮しなければならないという難しい立場をこなしていました。世間が観たいのはダウンタウンの感性であり、自分の役割はその補助をすること。そういった若手時代からの役割と意識の積み重ねが、『なんでも鑑定団』や『感謝祭』という人気コンテンツを引き継ぐ上で大きな経験値となっていることは確かだと思います。与えられた仕事をしっかりと完遂する今田の手腕には『後輩の代役から紳助の代役までできる使い減りのしない今田』『安定の今田。経験、技術は凄いですね』『今田さんはどの番組にも対応できてすごいな』といった称賛の声が出ています」(テレビ誌ライター)
自我と個性を極力抑え、番組側が最も見せたい部分を輝かせる手腕は見事としか言いようがない。“揺れまくる”吉本興業だからこそ、それを根底から支える今田耕司の存在は必要不可欠ということだろう。
(木村慎吾)