「ばっちり防寒対策をしているのに、なぜか足先が冷たい…」ということ、ありませんか?
足の冷えにはさまざまな原因がありますが、意外な盲点は「足汗」です。冬の外出時は暖かい衣服を身につける一方で、室内は暖房設備が普及しているため、冬でも足は汗をかきやすい環境にあります。また、1日中靴をはいている状態では靴の中で汗がこもりやすく、結果として「汗冷え」によるつらい“冷え足”を招きやすくなります。
そこで、冬に取り組みたい足元の冷え対策の一つが「足汗対策」。スキーやスノーボードなどのブーツはさらに密着度が高いので、ウインタースポーツを行う際にも足汗対策が重要です。
■冬の足汗による足冷えのメカニズム
汗研究の第一人者で、五味クリニック院長の五味常明さんは、「足の裏は、背中や胸の5~10倍もの汗腺があり、1日にコップ約1杯分ほどの汗をかきます。汗は蒸発する際に気化熱により体温を下げる機能があるため、汗をそのままにしておくと冷えて暖まりにくくなります」といいます。
また、冬はブーツや厚手の靴下+スニーカーなど密閉度の高い靴を履くことが多く、足汗が蒸発しづらいことも注意したい点です。五味さんは、「足汗をかくことでニオイやムレが気になり、それがストレスとなることで、さらに足の発汗を呼び、結果的に“冷え足”につながることもあります」と語ります。
■足汗による足冷えを改善するコツ
シービック社が20~40代の都内で働く女性を対象に行った「足汗と“冷え足”に関するモニターテスト」では、制汗剤を塗布することで足汗の量が減り、靴を脱いだときのヒヤッと感が少なく、サーモグラフィで見ても、足の汗が少ないほうが足の冷えを防ぎやすいことが分かったそうです。
前出の五味さんによると、制汗剤を塗るオススメのタイミングは「お出かけ前」。足の裏は足の甲の3倍ほどの汗をかくので、指だけではなく足の裏にもしっかりと塗ることが大切だそう。また、制汗剤は、毛穴を引き締めて汗を抑える効果のあるミョウバン由来のものがよいのだとか。 制汗剤を塗っていることで安心感が得られ、精神性発汗の抑制も期待できるそうですよ。
他に、自分の足のサイズに合わない靴、フィット感が悪い靴を履くのも、靴の中で足が緊張することになり、汗が余計に出やすくなるので要注意だそう。五味さんは、通気性のよい天然素材の靴や吸汗性のあるインソールを活用し、帰宅後に靴を乾燥させるなどの工夫で靴に湿気がこもらないようにすることが大切と話します。ブーツやスニーカーだけではなく、パンプスを脱いだ後も専用の乾燥剤を使用し、気になるときにはドライヤーをかけるなど、足だけでなく靴側の足汗対策も有効なのだそうです。
冬に足汗対策をする、というのは意外かもしれません。暖かい靴下で足元を守れば守るほど、気付かぬうちに水分がこもりやすい状態になりますから、冬は足の防寒対策と汗対策を合わせて行いたいですね。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)