7月21日の記者会見で市長が異例の謝罪。でも、それでは看過できないと、静岡市の田辺信宏市長に批判の声が噴出している。YouTubeにアップされた動画を見て、「何だこれ?」「恐ろしいほどのパワハラ」と全国から驚きの声が上がっているようだ。
「この日、NHK静岡放送局の記者から、以前の面会時の発言を問われた田辺市長は『人生の先輩としてアドバイスめいたこと申し上げたが、意図が伝えきれず結果的に傷つけたのは私の力不足だった』と謝罪。その面会というのが、昨年12月と今年3月のこと。その際、市長は記者の取材姿勢を問題視したうえ、記者に向かってパワハラ発言。これが記者の頭から離れなかったんでしょう。7月7日の記者会見の質疑応答の中でも同記者は市長発言を取り上げ、市民の間でかなり話題になっていました」(週刊誌記者)
怒り心頭の市民がアップした7日の会見を見ると、NHK記者が「市民の見えないところで市長の立場を押し付けるような威圧的な圧力をかけている」と訴え、市長が度々口にする「相手の立場を思いやりながら…」という公の発言とどう整合性を取るのか追及。すると、市長は威圧的だと思われたとしたら反省しなければならないとコメント。ところが収まらない記者は冷静な口調ながら、「正確な記憶と記録がある」という発言とともにとんでもないエピソードを披露したものだから会見が紛糾。
「記者は『矛盾があったら追及するという姿勢の人もいるが、あなたの会社(NHK)はそういう体質じゃないだろう。僕は○○さんと友達だよ。○○さんは今、本部の幹部だよ。チェックが甘いと言わなくてはいけなくなる。組織の中でやりたいことができなくなるリスクがあるよ』と、市長から脅しめいた発言があったことを説明。さらに追及するならフリーになれとも言われたようです。記者は市長が自分の権力を使って、他人の職を奪うような発言で圧力をかけることをどう思っているかと追及。すると、司会者が割って入り、これは市長と記者の個人の問題だと強制終了させようとしました。この記者会見の動画再生回数は通常の5倍以上に。当然、非難轟々というわけです」(前出・週刊誌記者)
市民だけでなく、議会の一部会派が確認を申し入れていたことから、市長は”マズイ”と思ったのだろう。21日の記者会見ではNHK記者の実名を出して謝罪するに至った。ただ、謝罪と言いながらも「人生のアドバイス」と表現した往生際の悪さには早速ツッコミが殺到。「人生のアドバイスがただの脅迫」「お前、この業界じゃ生きられなくなるぞというアドバイスですか?」「幹部にチクるというから気をつけろというアドバイスですね」と、SNS上は呆れ声と皮肉だらけだ。さらに「静岡県民じゃないから初めて見たけど、この市長の芝居がかったしゃべりが信用できなさすぎ」「初っ端からしゃべり方が異様にウソ臭い」と他県民に知られなくてもいいことまでバレたというオチまで…。
コロナ感染問題で自治体と市民との関係が以前よりもさらに密接になっている今、全国の驕れるパワハラ権力者はすぐにやり玉に上がることを肝に銘じておいたほうがいいかも。NHK記者の怒りの奮闘に拍手を送りたい!
(飯野さつき)