あなたは恋人からフラれたとき、彼の言動を自分に都合のいいよう解釈したことはありませんか?
例えば、「彼は今、ちょっと疲れているだけ。少し時間がたてばきっと戻ってきてくれるはず」「彼が本当に好きなのは私。彼は私のことを愛するあまり、私からの愛情がどれくらい強いものなのかを確かめたくて、一度自分から離れていっただけ」などです。
もしそう思ったとしたら、残念ながらそれはほとんどの場合、間違いです。でも人間は、「自分にはまだチャンスがある」と思いたくなるところがあります。なので、自分にとって不都合な現実に対して、“オリジナル”の解釈をしてしまうのです。これは、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーの【認知的不協和】という理論です。
「大好きな彼が近くにはもういない」から「その現実を受けとめることができない」結果、「そこで、彼がいないという現実に対しての解釈を変えてしまう」。そうすることで、自分の心を安定させようとしているのです。
しかし、これでは本当の現実を見つめていないことになり、実はこれが失恋からの立ち直りを遅らせる大きな原因となるのです。なぜなら、認知的不協和によってどんなに心が安定したとしても、それは現実のすり替えに過ぎません。実際にはフラれているわけですから、遅かれ早かれその現実に向き合わなければいけない日がくるのです。
ならば、現実のすり替えはしないほうがいいはず。ちょっとツラくても現実をしっかりと受け止めることが、失恋から早く立ちなおる方法なのです。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)