テリー デビューしてしばらくはバラエティ番組を中心に活動していたけど、最近は完全に女優にシフトしたんだね。それは何かエンクミの中で何か変化があったの?
遠藤 もともと「私は何にもできなくて、才能もないな」って、20歳を越えた頃からずっと思ってたんですよ。やっぱり民放のバラエティ番組は、ダウンタウンさんやウッチャンナンチャンさん、ナインティナインさんといった笑いのプロが戦ってる場所ですよね。私なんか、そういう方々にいじられたり、ツッコまれることで「この人、おもしろいよ」っていうイメージを飾り立てていただいていたほうなんです。
テリー 本当はそんなことないんだけどね。いじれば誰もがおもしろくなるわけじゃないんだから。
遠藤 それに、これは勝手な感想なんですけど、自分の恋愛や過去、家族や親友みたいな自分のプライベートを切り売りするような番組が増えてきたような気がするんです。でも、私にはそんなおもしろエピソードも話術もなくて。
テリー 確かに、今までの話からするとそうだろうな(笑)。
遠藤 でも02年に初めて舞台をやらせていただいた時、「自分がやりたいのはこれだ!」って初めて思えたんですよ。自分自身で組み立てていく稽古の時間がもう本当に楽しくて。本当は9割ぐらいは苦しくて、楽しいことは1割ぐらいしかないんですけど、なぜか「ずっと女優を続けていきたい」と思ったんですね。
テリー 一大決心だね。その方向性は、当時の事務所としては問題なかったの?
遠藤 事務所としては、最終的には私に久本雅美さんみたいなバラエティ番組の司会をやらせたかったみたいです。だから、不満はあったみたいですけどね。
テリー そのまま行けば、たぶん順風満帆だったろうにね、20代前半でその決断は勇気がいっただろうな。
遠藤 勇気というより、「もっと演技がうまくなりたい」っていう気持ちだけですね。自分が空っぽだってことは理解してるので、少しでもお芝居の仕事に役立てばと、ちょっと悪いことをやったことがあったんですよ。
テリー ええっ、クスリをやったり、夜の街をさまよって行きずりの男に抱かれたんだ?
遠藤 違いますよ! 例えばドラマの打ち上げで、いつも一次会で帰ってたけど、二次会まで出てみようとか。
テリー 何だよ、そんなの悪くも何ともないよ、普通じゃん(笑)。
遠藤 違うんです、テリーさん! 二次会は時間も遅いし、結構な繁華街へ出て行くんですよ? あとは深夜のTSUTAYAにDVDを借りに行くとか‥‥。
テリー 中学生の不良じゃないんだから(笑)。でもまあ、そういうことができるくらいに、女優の仕事に夢中だっていうことはわかったよ。もうすぐ新しい舞台も始まるんでしょう?
遠藤 そうなんです。9月から小説やテレビドラマでも大人気の「三匹のおっさん」の舞台版に出させていただきます。
テリー 俺も小説は読んだけど、おもしろいね、これ。メインキャストの3人はテレビ版と違うんだね。
遠藤 そうですね。(中村)梅雀さんは過去にご一緒したことがあるんですけど、松平健さんと西郷輝彦さんとは初めての共演なので、すごく楽しみです!
テリー 何だよ、仕事の話になったら生き生きしてきたな。
遠藤 すみません(笑)、でももっといろいろ勉強して、いい役者さんになりたいです。ちょっとした場面でもいいので、観てくれた人が「あの芝居よかったね」とか「泣けたよね」って言ってもらえるような女優さんになれれば最高ですね。
◆テリーからひと言
ミニスカートで夜の街に繰り出してみるとか、もっともっと冒険して、ステキな女優さんになってよ。いつか美人だという噂のお母さんも紹介してね。