“いま脱げるアイドル”としてバラエティ番組に引っ張りだこのSexy Zone・菊池風磨は、慶應義塾大学出身だ。セクゾでデビュー後、多忙であるにもかかわらずしっかり4年で卒業している。その17年3月には、メンバーの中島健人も明治学院大学を卒業。ジャニーズJr.時代に「ふまけん」の愛称で人気を誇っていた2人は、同じ年に新社会人となっている。
在学生だった15年には、中居正広主演のスペシャルドラマ「新ナニワ金融道」(フジテレビ系)に出演。大先輩と対話する機会を得た。その時に言われた金言が、どっきり番組に裸一貫で臨むひとつのきっかけとなった。
言われたのは、「30歳まではなんでもトライしろ」だった。「自分にとって嫌な仕事、苦手な仕事もあるかもしれないけど、30までは断らずに、全部全力でやりきれ」と言われ、クールを演じていた自分の意識が変わった。30歳まであと3年。“脱ぎドル”はまだ進化しそうだ。
中居自身は、30歳を境に艶っぽいトークを解禁している。いつまでもアイドルのままでいてほしいと願う女性ファンを幻滅させた一方で、トーク番組では幅と厚みを持てた。その後20年間にわたってバラエティ番組の最前線でいられるのは、30歳の時に下した英断によるものだろう。
この成功体験にシンパシーを抱いたのは、Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔。30歳を境に、艶路線に転換。グループのレギュラー番組「キスマイ超BUSAIKU!?」(フジテレビ系)ではモテキャラ路線を独走していたが、30歳を機に艶系に変貌した。
「モテキングだった藤ヶ谷は、上品に下半身ネタを言える男という路線に走りました。話術を磨ける場として、ソロのラジオ番組『藤ヶ谷太輔 Peaceful Days』を利用できたことも功を奏しました」(芸能ライター)
脱アイドルに成功した藤ヶ谷は、仕事を次々とゲット。来年1月13日に全国公開される主演映画「そして僕は途方に暮れる」では、バツが悪くなると逃げだして、人間関係を断ち切っていく自堕落なフリーター役を演じる。
加齢はアイドルが背負い続ける宿命。どのようにして真正面からぶつかり、キャラや仕事に生かせるかで、40代以降は大きく変わる。50歳の中居から菊池、藤ヶ谷が捧げられた金言はこの先の財産になるだろう。
(北村ともこ)