日本は“ヘルスリテラシー”が低い!?健康寿命を延ばすために重要なこと

 人生100年時代、長生きはしたいけれど何十年も寝たきり……というのは避けたいですよね。そのためには病気や怪我を防ぐこと。そして、病気にならないために大事なのは“ヘルスリテラシー”を高めることが重要です。

 ヘルスリテラシーとは、健康や医療に関する情報を入手して理解し、活用するための能力のこと。病気の予防法について、よく知っている人と知らない人とでは病気になりやすさは変わりますよね。だからこそ、ヘルスリテラシーを高めるかどうかが重要といえるのです。

 日本のヘルスリテラシー向上に取り組む日本健康食品・サプリメント情報センターの理事である宇野文博さんによると、「ヘルスリテラシーの国別の比較調査を見てみると、日本はアメリカやアジア諸国など世界各国に比べてスコアが低い傾向にあることが分かっている」そうです。

「日本のヘルスリテラシーの低さの主因は、他国と比べて個人のヘルスリテラシーを向上させる必要が比較的少ない状況にあったことが考えられます。日本人は他国に比べ、比較的容易に医療にかかれる環境下にあり、『病気になったら、病院へ気軽に行ける』という感覚がヘルスリテラシーの向上を阻んでいると推測できます」(宇野さん)

 日本は国民皆保険制度があり、アメリカと比べれば医療機関にかかったときの費用負担が少なく、病院も基本的には自由に選んで受診できます。でも、費用負担が多くて気軽に病院にアクセスできないとなれば、「病気にならない方法は何か」と自ずと考えるようになります。かかりつけ医を頼り、病気にならない方法を一生懸命に聞くようになるかもしれません。それらの結果が、「ヘルスリテラシーの向上につながる」と宇野さんは述べています。

 現在は、国民皆保険制度の持続問題や医師の働き方改革など、医療業界においてさまざまな問題が挙がっており、日本でもヘルスリテラシーの向上を迫られる可能性が高くなってきたそうです。

 ヘルスリテラシーを高めるには、前述したように地域のかかりつけ医に不安なことを積極的に尋ねる他、ドラッグストアなどでサプリメントや薬を買う前に有効性の表示をよく読む、薬剤師に尋ねるなどの方法で、より知識を深めることも必要となりそうです。

 ちょっとした心がけでヘルスリテラシーが上がり、健康のまま長生きできる可能性が高まります。そのためにも、ぜひこれらのことを意識してくださいね。

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