Q:2歳半になる息子のことで相談があります。夫が叱ったり注意をした時は、すぐに「パパごめんなさい」と、素直に謝るのですが、私が叱ってもふてくされて無視します。私よりも夫のほうが厳しく叱っているのに、です。下に、生まれたばかりの妹がいて、私がそちらに手をとられているからなのでしょうか? 誰よりも長く子供の世話をしているのは私なのに、なんだか納得がいきません。
A:最近は、子供に対してちょっと甘やかしすぎのお父さんが増えているようですね。息子にとって、どんなときでも甘やかしてくれるお父さんは自分を肯定してくれる存在です。そんなお父さんと自分を同一化して、お母さんへの態度がおざなりになっているのでしょう。
息子の今の心の中は「妹が生まれてからママは妹ばかりと一緒。パパはボクのものだよ。パパはボクの味方なんだ。ママはボクが甘えようとしても、いつも後回しじゃないか!知らんぷりしているときもある。だからボクだってママの言うことなんか聞かないよーだ」という感じでしょうか。
2人目の子供ができると、どうしてもその子にかかりきりになってしまいます。妹ができたことで、母親の独占権があっさりと奪われた息子は、寂しさを覚えるだけではなく、疎外されたように感じてしまうことがあります。
長男が寂しそうにしていたり、不満が溜まっているなと感じたら、育児の手伝いを頼んでみましょう。たとえばオムツを替えているときにオムツ替えセットを持ってきてもらったり、少し遠くにあるティッシュを取ってもらうなど、ささいなことでいいのです。こうして、ママと一緒に妹の面倒をみている気分にさせるのです。
持ってきてくれたら「ありがとう、ママ助かるわ」といっぱい褒めて、娘を見て「ほら、お兄ちゃんありがとうって笑っているよ」と声をかけ、お手伝いが成功した達成感を味わってもらうのです。妹の世話をするとうれしくなる、という気持ちが定着してくれば、だんだんとお母さんの大変さを理解してくれようになります。
そして、ときには夫に厳しい一面を示してもらいましょう。叱るときに「ママの言うことをちゃんと聞きなさい」と、ビシッと言ってもらうのです。この時、「ママが怒るからやめようね」というような言い方はNGです。父親が妻を尊重していることを示してください。
(監修・ストレスケア日比谷クリニック 酒井和夫院長/取材・文 李京榮)