16-17年のシーズンを振り返ると、男子のフィギュアスケートは“真・4回転時代”を迎えたと言える。一方の女子はトリプルアクセルを跳ぶ選手が数名出てきたくらいで、ジャンプの進化が少ないようにも思えるが、今後どんな展開を見せるのだろうか。
「女子では、これまで世界で7人しか跳ぶことができなかったトリプルアクセルが、男子の4回転に匹敵すると見られていましたが、ここにきてちょっと風向きが変わってきています。1月には本田真凜選手が平昌五輪に向けて、4回転ジャンプを練習したいと取材に答えているのです」(女性誌記者)
じつは、4回転ジャンプに成功したのは日本の女子選手。安藤美姫がジュニア時代に、ジュニアGPFで4回転サルコウを跳んだのが世界で唯一の記録なのだ。安藤はシニアに上がってからもずっと4回転にこだわり続けたが、とうとう跳ぶことはできなかった。
「世界に目を向けると、世界女王のエフゲニア・メドベージェワ選手と同じトゥトベリーゼコーチのもとで練習する若い女子選手たちが4回転ジャンプを跳んだ映像がネットで公開されています。トゥトベリーゼコーチは4回転ジャンパーの若手について聞かれても、公式の試合でないのにコメントする必要はないと語っており、まだ公式試合で披露できるようなレベルではないと判断しています。しかし今後、精度が上がれば女子も4回転で争う時代になってくるかもしれません」(前出・女性誌記者)
完璧な演技が求められるというフィギュア競技の性質上、すぐに女子の「4回転時代」が来るとは考えにくい。しかし、男子の場合も、種類を跳び分け、コンビネーションに加える時代はもっと先だと目されていたことを思うと、思いのほか早く新時代が到来するのかもしれない。
(芝公子)